覚王寺 (愛知県扶桑町)

覚王寺の概要と歴史

覚王寺（かくおうじ）は、愛知県丹羽郡扶桑町にある臨済宗妙心寺派の仏教寺院です。この寺院の山号は金華山であり、本尊は十一面観音となっています。多くの文化財に恵まれ、現在本堂、庫裏、大日堂、鐘楼、山門の5棟が国の登録有形文化財として保護されています。

歴史的背景

覚王寺は1330年（元徳2年）に創建され、当初は天台宗に属していました。しかし、文明年間に焼失してしまいましたが、本尊だけは難を逃れ、今も寺の宝として大切にされています。1510年（永正7年）9月には、十四世友峰宗益が村の北端に寺を再建し、そこに「金華山覚王寺」と名付け、臨済宗に改宗しました。友峰和尚が開山となり、寺は栄えました。

1729年（享保14年）には、研宗和尚の史跡により現在地に移転されました。また、2005年（平成17年）には、本堂、庫裏、大日堂、鐘楼、山門の5棟が登録有形文化財として登録され、大切に保護されています。

文化財の詳細

登録されている有形文化財は、いずれも江戸時代から昭和初期に建てられたもので、各建物には歴史的な価値があります。

• - 本堂: 文化11年（1814年）に完成
• - 庫裏: 天保11年（1840年）に完成
• - 大日堂: 寛政6年（1794年）に完成
• - 鐘楼: 1934年（昭和9年）に完成
• - 山門: 1902年（明治35年）に完成

これらの建物は、建築様式や構造においても日本の文化を代表するものとされています。

旧覚王寺の痕跡

現在の金華山覚王寺は元々、下野村堀の内に位置していましたが、時代の変遷に伴い今の地に移転されました。かつてこの寺は、織田信長軍の進撃路であった犬山城攻めの拠点としても利用されていました。旧覚王寺は戦火に巻き込まれ、炎上したと考えられています。再興された寺は、友峰宗益によって再建され、鐘の銘文には「天文永禄之蜂起」の文字があるなど、その歴史を物語る記録が残されています。

当時の主要道路である織田街道や柳街道に関する記録は、狭くて大規模な軍隊の移動には適さなかったことが伺えます。これにより、覚王寺が果たした役割の重要性が再確認されます。

所在地

覚王寺は、愛知県丹羽郡扶桑町高雄南屋敷135に位置しています。この寺院は多くの文化的な価値を持ちながら、地域の歴史や文化の象徴となっています。訪れることでその歴史的な背景を実感し、静かなひとときを楽しむことができるでしょう。

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