親子ゲーム

親子ゲーム：TBS系ホームドラマの傑作

1986年、TBS系列で放送された『親子ゲーム』は、長渕剛主演による全11話のホームドラマです。平均視聴率18.1%を記録し、第24回ギャラクシー賞選奨を受賞するなど、高い評価を得ました。

親に見捨てられた少年と、元暴走族の温かい家族

物語の中心となるのは、両親に捨てられ、人間不信に陥っている小学4年生の少年、吉田麻理男（マリオ）です。彼は、元暴走族の青年、矢板保と恋人の三石加代が営む東京の下町にあるラーメン屋「九十番ラーメン」に引き取られます。

保と加代は、一見粗野で型破りな性格ですが、根は優しく、マリオを温かく迎え入れます。血のつながりのない3人ですが、次第に家族のような絆を育んでいきます。ラーメン屋を舞台に繰り広げられる日常は、笑いと涙、そして温かい人間模様を描写し、視聴者の共感を呼びました。

個性豊かな登場人物たち

ドラマを彩る個性豊かな登場人物たちも魅力の一つです。

矢板保（長渕剛）： 九十番ラーメンの店主。元暴走族で、口は悪いものの、義理堅く情に厚い。マリオと衝突しながらも、次第に深い愛情を抱くようになる。
三石加代（志穂美悦子）： 保の恋人。気性が激しい一面もあるが、心優しく、保とマリオを支える存在。
吉田麻理男（柴田一幸）： 親に捨てられた少年。心を開くのが苦手だが、保と加代の愛情に触れ、少しずつ変化していく。
早川巡査（植木等）： 保と加代の良き理解者であり、マリオの後見人的存在。九十番ラーメンの常連客でもある。

その他にも、ラーメン屋の常連客や保と加代の旧友など、個性的なキャラクターが多数登場し、物語に深みを与えています。彼らの交流を通して、家族のあり方や人間関係の温かさ、社会の様々な問題が浮き彫りにされます。

様々なエピソードと、長渕剛の演技

ドラマは、マリオを巡る様々な騒動や、保と加代の恋愛模様、そして旧友との交流など、多くのエピソードで構成されています。長渕剛は、自身の体験も投影したかのような、魂のこもった演技で視聴者を魅了しました。

さらに、当時流行していたゲーム『スーパーマリオブラザーズ』が劇中に登場するなど、時代背景も反映されています。

結婚発表と視聴率

長渕剛と志穂美悦子は本作で初めて共演し、後に結婚しています。彼らの結婚発表の際には、ドラマ第10話のプロポーズシーンがワイドショーで繰り返し使用されました。また、志穂美悦子は撮影中に怪我を負うアクシデントもありましたが、ドラマの完成度には影響を与えず、最後まで撮影を続けました。

まとめ

『親子ゲーム』は、家族とは何か、そして人間関係の温かさについて深く考えさせられる、感動的なホームドラマです。長渕剛をはじめとする豪華キャストの熱演、そしてテンポの良い展開は、多くの視聴者の心を掴みました。個性豊かな登場人物たちの生き様、そして彼らの織りなす人間ドラマは、今もなお多くの人々に語り継がれる名作となっています。1980年代の日本の社会情勢や文化も反映されており、現代の視点からも興味深い作品です。

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