観世喜正

観世喜正は、1970年9月25日に能楽師の三世観世喜之の長男として生まれました。観世流シテ方として、幼少期から能の道に入り、その才能を開花させてきました。2歳7ヶ月で仕舞『老松』にて初舞台を踏み、1975年には能「合浦」で初能を演じました。

暁星高校を経て、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業。その後、能楽師としての活動を本格化させ、数々の舞台に出演しています。また、教育活動にも力を入れており、平成18年度には教育テレビ「伝統芸能入門」で能楽講師を務めました。さらに、NHKテレビジョン「美の壷」では能面について語り、大河ドラマ『功名が辻』や『風林火山』では能楽指導と出演を担当するなど、メディアにも積極的に登場しています。

近年では、NHK Eテレ「にっぽんの芸能　百花繚乱「能に親しむ」」に出演・監修、NHKドラマ「フェイク」では能楽監修を務めるなど、能の普及にも貢献しています。

観世喜正は、公益社団法人観世九皐会の常務理事、公益社団法人能楽協会の常務理事を務めるなど、能楽界の要職を担っています。また、法政大学大学院、皇學館大学文学部、シンガポールI.T.I(旧Practice Performing Arts of Singapore）で非常勤講師を務めるなど、後進の育成にも力を注いでいます。

「観世九皐会」、「神遊」の同人として活動する傍ら、「のうのう講座」・「のうのう能」・「喜正の会」を主宰し、能の魅力を伝えています。著書には『演目別にみる能装束』があり、月刊『なごみ』では「能楽師が読む「風姿花伝」」を連載するなど、執筆活動も積極的に行っています。

映像作品としては、DVD「スピカ蝋燭能～鬼づくしの二夜～第一夜【鉄輪】第二夜【紅葉狩】」、「スピカ雪の蝋燭能「大般若」「邯鄲」」、「スピカ能07「土蜘蛛」「道成寺」」などがあります。

観世喜正は、能楽師としての卓越した技術と知識を持ちながら、能の普及にも尽力する、現代能楽界を代表する一人と言えるでしょう。

関連リンク：
観世九皐会・矢来能楽堂WEB
かんぜこむ
* 神遊

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