観兵式

観兵式とは

観兵式（かんぺいしき）は、国家元首や国内外の賓客に対して行われる一大行事で、軍隊の兵士や装備のパレード、さらには戦闘機の飛行展示を伴います。この行事は、国家や軍事の威信を誇示する目的で実施されるもので、一般に「軍事パレード」として知られています。

歴史的背景

観兵式は、19世紀後半までは行進と戦闘が密接に結びついており、その重要性から国家の戦力を内外に示す場でもありましたが、現在では主に国家や軍の記念イベントとして位置付けられています。海軍においては、観艦式がこれに対応する行事となります。

各国の観兵式の歴史

中国

中国では、古代から君主の前で軍隊のパレードが行われてきました。特に「三国志」においては、建安5年（西暦200年）に呉での観兵式が記されており、この際、呉の大皇帝である孫権が軍の統廃合を計画している中、部下である呂蒙は自ら指揮する兵に赤い服を着せ、目立たせることで意図的に軽視されることを避けたとされています。

このように、古代からの観兵式は、政治的な意図を持って行われることが多々ありました。

日本

一方、日本においては、武士階級が行っていた「馬揃え」という行事があり、騎馬が集められ、その戦力を競い合うイベントとして知られています。このような集まりは、観兵式の precursor と見ることもできます。

日本陸軍において、観兵式は大日本帝国時代に重要視されました。天長節の祝日や、陸軍始（仕事始めの1月8日）など、特定の日に行われたほか、必要に応じて特別に命令されることもありました。観兵式は閲兵式と分列式の2つに分かれ、軍の部隊が整然と並び、指揮官による閲兵を受けた後に、分列行進を行ってその威容を示します。

このような式典は、天皇や皇族、軍の高官たちの前で行われ、東京衛戍地では大元帥（天皇）の存在を仰いで挙行され、大元帥は軍隊から敬礼を受けることとなります。地方では、所属する最高団隊長に対しても同様の儀式が行われました。

また、観兵式は天長節や陸軍始だけにとどまらず、特別な軍事演習が終了した際にも行われ、出動部隊は大元帥に敬意を表すためにこの儀式を実施するのが通例でした。

自衛隊と観兵式

近年では自衛隊における観兵式も重要な位置を占めています。自衛隊は独自の文化と伝統を持ちながら、この観兵式に取り組んでおり、国内外に対する備えや威信の発表の場となっています。

関連項目

• - 観艦式：海軍における艦船のパレード。
• - 観閲式：自衛隊での観兵式に相当するもの。
• - 馬揃え：日本の伝統的な競馬行事。

このように観兵式は、歴史的背景や社会的な要素が絡み合う重要な行事であり、運営される地域や国によって様々な形を持っています。

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