観測員章

観測員章について

観測員章（ドイツ語：Beobachterabzeichen）は、ナチス・ドイツ時代に陸海空の人員に与えられた軍事勲章であり、主に航空機の観測員、航空士、爆撃手を対象としています。この勲章は、1935年11月にヘルマン・ゲーリングによって制定されました。

勲章の授与条件

観測員章を受章するには、基本的には航空機の観測員として2か月以上の勤務を行うか、5回以上の出撃を経験する必要がありました。ただし、戦闘中に負傷した場合には、これらの条件が免除される特例が設けられていました。つまり、危険な状況下での任務によって負った傷によって、受章資格が与えられることになっていたのです。

この勲章を保有している者や、それに加えてパイロット章を持つ者は、さらなる上位の勲章である「パイロット兼観測員章」を取得する権利を得ることができました。ところが、1944年7月31日には規則が改定され、両方の章を取得後にはさらに1年以上の勤務が求められるようになりました。これは、戦局が厳しくなる中で、より高い任務遂行能力を重視する傾向として理解されます。

佩用規定

観測員章は、制服の左胸ポケットに取り付けて佩用しますが、一級鉄十字章などの高位勲章を持つ場合は、その下に装着することが規定されていました。こうした佩用のルールは、勲章の序列を明確にする役割を果たしていました。

素材と製造

この勲章は最初はニッケル銀でメッキされていましたが、1937年からはアルミニウム製に変更され、時が経つにつれて第二次世界大戦の終盤では金属合金に切り替えられるようになりました。これにより、効率的な大量生産が可能になったとされています。また、戦闘服などでの使用を想定し、布製の観測員章も製造されるようになりました。

参考文献

観測員章についての信頼できる情報源には、クリストファー・エイルスビーの『A Collector's Guide To: World War 2 German Medals and Political Awards』（2003年）、およびジョン・アンゴリアの『For Führer and Fatherland: Military Awards of the Third Reich』（1987年）があります。これらの文献はナチス・ドイツにおける軍事的な勲章の評価や背景を集中的に扱っています。

関連項目

• - パイロット章
• - パイロット兼観測員章

観測員章は、ナチス・ドイツ時代の航空戦闘の歴史を物語る重要な勲章の一つとして位置づけられています。

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