観音寺 (大和市)

観音寺について

観音寺（かんのんじ）は神奈川県大和市下鶴間にある高野山真言宗に所属する寺院です。正式名称は鶴間山東照院観音寺。古くは金亀坊（こんきぼう）と呼ばれていました。この寺院の歴史は深く、開山や開基の詳しい記録は残っていませんが、過去の資料によると中興開山の頼満が1608年に没した後、寺院の名称が観音寺に変わったとされています。なお、本尊は地蔵菩薩であったとも伝えられています。

歴史と本尊

観音寺の名称が定まったのは宝暦年間（1751～1764）であり、その逸話により現在の本尊である十一面観音が据えられる経緯があります。宝暦年間に、瀬谷村の高橋是右衛門家にあった十一面観音像が、当時の宥仁和尚との夢で観音寺に安置されることが告げられ、新しい観音堂が建設されました。興味深いことに、大火が寺院を襲った際、観音堂だけが無事であったため、この十一面観音が本尊として崇められることになりました。というわけで、観音寺は武相観音札所の第一番目として、また相模新西国三十三観音の一端を担っています。

境内の様子

観音寺の敷地は県道56号線「観音寺前」交差点の北東から始まり、訪れる者を迎えます。境内に入ると、右手には金亀坊稲荷があり、そこから参道が続きます。左手には弁天堂が設けられています。境内の正面には美しい山門があり、山門を進むと左手には観世音菩薩立像と太子堂、右手には手水舎と大銀杏があります。さらに本堂の裏側には墓地が広がり、静寂な雰囲気を醸し出しています。

金亀坊稲荷と庚申塔

金亀坊稲荷の本殿は1831年に建てられたもので、特有の建築様式を持っています。また、1680年に造立された庚申塔は、阿弥陀如来像が彫られ、その美しさがみられます。大銀杏の近くには、三猿が彫られた別の庚申供養塔も存在します。

文化財

観音寺は大和市指定の重要文化財を数多く持つ寺院です。その一つに1544年に制作された厨子があります。木造の地蔵菩薩半跏像は室町時代にさかのぼるもので、立像でありながら持ち物は独特の姿勢で表現されています。その他にも数多くの仏像があり、それぞれに歴史的背景があります。特に、木造の十一面観音立像はこの寺の本尊で、重要な存在です。

年中行事

観音寺では年間を通じて様々な行事が行われ、参拝者を迎え入れています。太子講や御影供、春や秋の彼岸など、地域の人々と共に行う行事が多く、特に観音様の縁日には多くの人々が集まります。

アクセス

観音寺へのアクセスは鉄道を利用するのが便利です。東急田園都市線のつきみ野駅からは徒歩で約18分、小田急電鉄江ノ島線の鶴間駅からは約30分かかります。また、バスを利用する場合は神奈中バス「観音寺前」停留所が近いです。外出をする際には、事前に交通手段を確認することをお勧めします。

観音寺は歴史的な背景を持ちながらも、地域の心の拠り所となっている場所です。その静かで荘厳な雰囲気は訪れる人々に深い感動を与えています。

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