角田柳作

角田 柳作の生涯と業績

角田柳作（つのだ りゅうさく、1877年1月28日 - 1964年11月29日）は、群馬県出身の著名な日本文化研究者であり教育者として知られています。彼の代表的な業績は、コロンビア大学に日本文化研究所を設立し、日本研究の礎を築いたことです。また、日本文学の研究者であるドナルド・キーンの師としても名を知られています。

初期の経歴

1877年、群馬県勢多郡津久田村に生まれた角田は、両親のもとで厳しい幼少期を送りました。5歳の時に父を失い、祖父と母に育てられます。1890年、群馬県尋常中学校に入学するも1893年に退学。その後、東京専門学校文学科（現・早稲田大学）へ進学し、坪内逍遙やアーサー・ロイドに師事しながら学びました。1896年には同校を卒業し、国民新聞社に入社。以降、教師としての道を歩み始めます。

教職と海外での活動

1900年からは文中園（京都女子大学の前身）で教授を務めたり、福島中学校に赴任するなど日本での教職に従事しました。1909年にはハワイに渡り、本願寺が設立した布哇中学校の校長に就任。1911年には女子部が独立し、校長も兼任しました。しかし、健康の問題から日本に帰国した後、1913年に再びハワイへ渡ります。

この間に、角田は日本の文化を外国に伝えるために多くの活動を行います。1914年には『英文真宗大意』を刊行し、布教活動にも従事しました。

コロンビア大学での功績

1919年にニューヨーク日本人会での活動を始めた角田は、1928年に「日米文化学会」を発足させました。コロンビア大学において日本文化の研究を進めるため、日本語と日本文学部門の創設に尽力し、1931年には正式に「日本研究施設」と「日本文庫」を設立しました。

この施設は、その後角田の指導の下で多くの研究者を育成し、現在の日本学の基盤を築くことになります。角田自身も「日本の歴史と文学」や「日本宗教史」などの科目を担当しました。特に1941年に太平洋戦争が勃発した際には、FBIに拘束されるという異常事態に見舞われましたが、1942年に再びコロンビア大学での教職に復帰します。

晩年と評価

1946年から1951年まではミシガン大学で教鞭をとったこともあり、1962年にはコロンビア大学から名誉文学博士号を授与されました。角田は1964年に帰国の途中、ハワイにて死去しました。

彼の活動は、今もなお日本文化の理解と普及に寄与しています。故郷である群馬県の赤城公民館には、彼に関する資料が展示され、彼の功績を後世に伝えています。角田柳作は、日米文化交流の先駆者として、教育界に不朽の足跡を残しました。

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