角田由紀子

角田由紀子（つのだ ゆきこ、1942年生まれ）は、日本の法律界において非常に影響力のある弁護士です。彼女は、性暴力被害者の権利の擁護をはじめ、セクハラ、家庭内暴力（DV）、ポルノグラフィーの問題など、多岐にわたる分野での活動を行っています。これまでに東京・強姦救援センターの法律顧問としても知られる彼女は、権利擁護や人権の分野でも活躍し、イクオリティ・ナウという人権団体の理事や希望のたね基金の顧問も務めています。

彼女の学術的なキャリアも注目に値します。ミシガン大学において客員教授として教鞭を執った経歴があり、明治大学法科大学院では教授として長年教えてきました。また、日本学術会議の特任連携会員としても活動し、ジェンダー法学会の理事として法律の専門知識を活かした研究や教育を行ってきました。さらに、ポルノ・買春問題研究会の共同代表としても活動し、性に関する教育や啓発活動を通じて社会問題への理解を深める努力を続けています。

角田氏は福岡県小倉市に生まれ、1962年に福岡県立小倉高校を卒業した後、1967年には東京大学の文学部を卒業しました。1972年には旧司法試験に合格し、1975年に弁護士として登録されました。彼女は、静岡県弁護士会に所属した後、1990年代に第二東京弁護士会に移籍しました。特に注目すべきは、1994年から1996年までミシガン大学ロー・スクールにおいて、著名なフェミニスト法学者キャサリン・マッキノン教授の下で法社会学を学び、その後も日本とアメリカを行き来しながら、法律の専門家としての活動を続けました。

数々の著名な事件にも関与しており、1985年には徳島ラジオ商殺し事件の再審請求において原告の代理人として関わりました。また、1989年には、日本初のセクハラ裁判を担当。これに続いて、様々なセクハラ事件に関与し、その度に女性の権利を守るための闘いを続けてきました。最近では、2018年に医学部入試における女性差別の問題について打越さく良氏と共に弁護団の共同代表を務め、2022年には一般社団法人Colaboの代表に対して提訴される裁判に弁護団の一員として参加しています。

彼女は著作活動にも力を入れており、1991年に『性の法律学』、2001年に『性差別と暴力』、2013年には『性と法律 - 変わったこと、変えたいこと』など、性に関する法律の問題を扱った著作を出版しています。共同執筆による書籍も多数存在し、男女の権利に関する問題への取り組みを広げています。常に社会の最前線で人々の権利を守る法律家として、角田由紀子はこれからも重要な使命を担うことでしょう。

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