キャサリン・マッキノン

キャサリン・マッキノン

キャサリン・マッキノン（Catharine MacKinnon、1946年10月7日 - ）は、アメリカ合衆国の弁護士、法学者、そして著名な反ポルノ活動家です。ミシガン大学ロー・スクール教授、ハーバード大学ロースクール招聘教授。

人物

1946年、ミネソタ州ミネアポリスに生まれたマッキノンは、弁護士で元下院議員のジョージ・E・マッキノンを父に持ちます。イェール大学ロースクールで法律を学び、弁護士資格を取得。初期にはミス・アメリカのミス・コンテストに対する抗議活動に参加しました。

1970年代半ばからは、アンドレア・ドウォーキンらと共に、セクシャルハラスメントという概念を明確化し、その法規制を求める運動を展開。同時に、女性の人権を侵害し、性犯罪を助長するものとして、ポルノグラフィに対する法規制運動にも取り組みました。1982年には、ミネアポリス市議会に対し、性差別を扇動するポルノグラフィを禁止する条例の制定を働きかけましたが、市長の拒否権により不成立となりました。

マッキノンの活動の特徴として、目的達成のためには、アメリカの右翼活動家との連携も辞さない点が挙げられます。

弁護士としては、セクシャルハラスメント関連訴訟の他、インディアナポリス市の反ポルノグラフィ公民権条例の有効性を訴える裁判や、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争における集団強姦被害者5名の代理人として、スルプスカ共和国の元大統領ラドヴァン・カラジッチを訴える裁判などを担当しました。

1989年よりミシガン大学で教鞭を執り、後にミシガン大学ロー・スクール教授に就任。2016年頃から米国で本格化した#MeToo運動を、法の不備を埋める試みとして高く評価しました。2018年からはハーバード大学ロースクール招聘教授を務めています。

主な著書

Sexual Harassment of Working Women: A Case of Sex Discrimination, (Yale University Press, 1979).
Feminism Unmodified: Discourses on Life and Law, (Harvard University Press, 1987)
Only Words, (Harvard University Press, 1993).
Toward a feminist theory of the state (Harvard UP, 1989)
Sex Equality. Family Law (Foundation Press, 2001)
Women's Lives, Men's Laws (Harvard UP, 2005)
Are Women Human? : and other international dialogues (Harvard UP, 2006)
Butterfly Politics (Harvard UP, 2017)

関連人物

アンドレア・ドウォーキン
ジュディス・バトラー
* ナンシー・フレイザー


キャサリン・マッキノンの活動は、フェミニズム法学、表現規制といった分野に大きな影響を与えており、現代社会におけるジェンダーと法の問題を考える上で、重要な視点を提供しています。

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