解剖学における運動の表現

解剖学における運動の表現

解剖学の分野では、身体の運動を正確に表現するための用語が整備されています。この運動の表現は、日常の言語で使われる表現と異なることがあるため、理解する上で注意が必要です。特に、運動は関節の可動域に基づいて定義されているため、基礎的な運動の種類について知識を持つことが重要です。

基本的な運動の種類

以下に示すのは、基本的な運動の種類とそれぞれの定義です。

屈曲・伸展

• - 屈曲: 関節の角度を縮める運動。
• - 伸展: 関節の角度を広げる運動。

過屈曲・過伸展

• - 過屈曲: 関節の角度が0度を下回る運動。
• - 過伸展: 関節の角度が180度を超える運動。

外転・内転

• - 外転: 肢を身体の中心から遠ざける運動。
• - 内転: 肢を身体の中心に近づける運動。

回旋

• - 回旋: 頭部や背中などの胴体部を垂直軸を中心に回す運動。
• - 外旋・内旋: それぞれ体の前方に向かう部分を外側または内側に回す運動。

側屈

• - 側屈: 体の一部を横方向に曲げる運動。

上肢と下肢の運動

解剖学の測定においては、上肢と下肢の運動をそれぞれ詳しく観察します。特に、肩関節や肘関節、股関節や膝関節の可動域は重要な指標です。

上肢の運動測定

• - 肩甲帯の屈曲・伸展: それぞれ20度の可動域を有し、基本軸や移動軸は肩峰に関する線で測定します。これらの運動は、背面から測定する必要があります。

• - 肩の屈曲・伸展・外転・内転: 各々180度、50度、180度、0度の可動域を持ち、測定時は前腕を中間位に保つことが重要です。

下肢の運動測定

• - 股関節の屈曲・伸展: それぞれ125度と15度の可動域を持ち、骨盤と脊柱を固定した状態で圧迫の影響を排除します。

• - 膝の屈曲・伸展: いずれも130度、0度までの可動域を持つため、股関節を屈曲位で測定します。

体幹の運動測定

体幹では、頚部や腰胸部の運動の可動域が重要です。特に、回旋や側屈の運動は、日常生活における可動性に大きく影響します。

頚部の運動

• - 屈曲・伸展・回旋: それぞれ60度、50度および左右ともに60度の可動域があり、正しい測定位置を選定することが求められます。

まとめ

身体の運動を理解するためには、正確な用語の知識と適切な測定技術が必要です。解剖学的な運動の表現を身につけることにより、あなたのフィジカルな理解も深まることでしょう。これらの基礎を抑えることで、運動療法やリハビリテーションなどの実践にも役立てることができます。

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