訓練隊

訓練隊の歴史と背景

訓練隊（韓国語: 훈련대、フンリョンデ）は、日本の指導のもとに設立された朝鮮の軍隊を指します。この部隊は「軍事教育事業部」という名称で知られており、設立されたのは甲午更張が起きた1885年、つまり開国504年にあたります。この時期は、高宗の治世下にあり、韓国の政治や社会が大きく揺れ動いていた時代でした。

1895年1月17日、日本公使の井上馨は高宗に対して、新たな宮廷警備隊の設立を提案しました。この新部隊は、既存の親軍四營兵士の中から選ばれた壮丁で構成されることになりました。提案からわずか1ヶ月後の2月12日には、漢城に2個の大隊が編成され、4月には平壌に第3大隊、清州に第4大隊が設立され、後に全州へ移転します。5月には士官養成所が設立され、同年7月には2個大隊が統合されて1個連隊が編成されました。連隊の解散前には1,773人の隊員が在籍していました。

訓練隊の育成は、日本の軍事顧問である楠瀬幸彦などによって行われましたが、これは高宗が抱いていた不安感を呼び起こしました。高宗は、アメリカ人やロシア人の訓練を受けた親衛隊を重視しており、訓練隊に対しては疎外感を抱いていました。一方で、朴泳孝は宮殿警護として訓練隊を採用しようとしていましたが、これが反逆罪として日本に亡命する原因となりました。

また、訓練隊は1895年10月8日、閔妃の暗殺事件に関与しました。事件の背景には、日本の浪人たちが訓練隊を利用したとの見解もあります。著名な歴史家である八木信雄は、閔妃政権が訓練隊を解散させようとしており、事件の前日に解散の通告を行ったことが彼らの決起につながったと指摘しています。このように、訓練隊の幹部たちは、当時の社会の不安定さや閔氏一族の横暴に対する懸念を抱えていたため、事件に自ら関与することを選んだとされています。

しかし、運命は彼らを待ち受けていました。1895年10月30日、訓練隊には解散命令が下されました。漢城に驻在していた第1連隊は親衛隊に編入され、地方に配置されていた第3大隊及び第4大隊は鎭衛隊に改編されました。

訓練隊の設立やその後の運命は、日本の朝鮮統治の初期段階における重要な出来事の一つであり、当時の朝鮮社会の変化を体現しています。訓練隊の役割は、単なる軍事教育にとどまらず、日本と韓国の関係においても深い影響を与えるものでした。歴史の中で訓練隊が果たした役割については多くの解釈があり、この部隊の存在は現在でも議論の余地があります。

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