楠瀬幸彦

楠瀬幸彦（くすのせ ゆきひこ）：日本陸軍の軍人と陸軍大臣

楠瀬幸彦は、日本陸軍における重要な人物であり、陸軍大臣を務めたことでも知られています。1858年4月28日に土佐藩士の息子として生まれ、長い軍歴を通じて様々な役職を歴任しました。そのキャリアは、軍事に対する貢献と、多くの栄誉に彩られています。

職業経歴の始まり

彼は東京海南私塾で学んだ後、陸軍幼年学校に進学し、そして最終的に陸軍士官学校を卒業しました。彼の士官学校卒業は1880年12月であり、旧3期の卒業生として知られています。その後、フランスへの留学を経験し、陸軍における教官や各種の指導的役職を次々と務めました。近衛砲兵連隊の中隊長、参謀本部第1局員、副官としての役割を経て、ロシア公使館に派遣される等、着実にキャリアを積んでいきました。

重要な出来事との関わり

1894年11月、臨時京城公使館の付属として韓国政府軍部の顧問を務める際、彼は閔妃暗殺事件（乙未事変）に深く関わることになります。これにより、彼は1895年10月から翌年1月の間、入獄することとなりましたが、1896年1月には無罪を確定され、釈放されました。この事件は、彼の軍歴における特異なエピソードの一つとして語り継がれています。

軍での昇進

その後、台湾総督府の参謀や西部都督部の参謀長、さらには第12師団の参謀長などの要職を担い、1901年には陸軍少将に進級しました。日露戦争の際には、第2軍の兵站監として参加し、奉天会戦では満州軍重砲隊司令官として戦闘に臨みました。戦争の終息後も、由良要塞司令官、樺太守備隊司令官、初代樺太庁長官として任務にあたりました。

陸軍大臣としての役割

1907年11月には陸軍中将に進級し、様々な役職を経た後、1913年6月に陸軍大臣に就任します。大臣職は、彼が直接的に陸軍の運営に関わる重要な役割を果たすことを意味しました。しかし、1914年4月には大臣の職を辞任し、その後は休職し、1917年4月16日に予備役に編入されて現役から退きました。

栄誉与えられた数々の勲章

彼の栄典としては、1901年に正五位、1906年に従四位、1913年には従三位と、度重なる昇進が見られます。また、勲章においても明治二十七八年従軍記章、旭日小綬章、勲三等瑞宝章等、多数の受章歴があり、特に1913年には勲一等瑞宝章を受章しています。彼の軍人としての貢献とその成果は、後の世にも影響を与えました。

家族について

プライベートでは、楠瀬幸彦は妻として楠瀬福を迎えており、彼女は渡辺央陸軍少将の娘です。また、彼には五男、楠瀬熊彦がいて、彼は逓信省の官吏として勤務していました。

まとめ

楠瀬幸彦の業績は、日本陸軍における重要な一コマを形成しています。彼の多彩な経歴や栄誉は、日本の軍事史において重要な位置を占め、多くの教訓を後世に語り続けることでしょう。彼は1927年に亡くなり、その穏やかな最期を多磨霊園で迎えました。

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