設楽町津具民俗資料館

設楽町津具民俗資料館

概要

設楽町津具民俗資料館（したらちょうつぐみんぞくしりょうかん）は、愛知県北設楽郡設楽町津具に位置する郷土資料館です。この施設は、地域の豊かな民俗文化や歴史を後世に伝えるための貴重な場所となっています。

歴史的背景

この資料館の基礎は1890年（明治23年）に夏目一平（なつめかずひら）によって築かれました。夏目は、愛知県の教育機関を卒業後、地元の小学校で教員として活躍しながら、地域の歴史や民俗資料の収集に尽力しました。1922年には津具郷土資料保存会を設立し、地域の民俗学者たちとの交流を通じて、資料収集活動を進めました。

夏目は教育者であるだけでなく、民俗学の発展にも寄与しました。彼は、柳田國男や折口信夫といった著名な民俗学者にも影響を与え、地域の文化を守る重要な役割を果たしました。1966年にはその功績が認められ、勲五等瑞宝章を受章するなど、地域社会でも名誉ある存在となりました。

資料館の開館

1958年に夏目が自身の自宅の一部を改修して津具郷土館を設立し、一般向けに公開を始めました。1964年には「津具の山樵用具及び加工品」が国の重要有形民俗文化財に指定され、1966年には民具を含む多数の資料が津具村に寄贈されました。

この寄贈を受けて、津具村は資料館の新設を計画し、1968年には津具村立民俗資料館として開館しました。2005年に津具村が設楽町と合併した後、名称が設楽町津具民俗資料館に変更されました。

収蔵品について

設楽町津具民俗資料館は、江戸時代から昭和時代にかけての様々な民具が収蔵されており、地域の伝統文化や生活様式を伝える重要な資料が多数展示されています。また、津具金山で採掘された金鉱石や、鉱石を磨くための金摺石も保存されています。これらの展示は、訪れる人々に津具地域の文化の深さと多様性を感じさせてくれます。

利用案内

館内は、月曜日から金曜日の午前9時から午後4時まで開館していますが、土曜日や日曜日、祝日、そして年末年始の12月29日から1月3日までの間は休館となります。

入館料は、小中学生が110円、大人が320円と手頃な価格設定です。訪問は、JR飯田線の本長篠駅からおでかけ北設バスを利用し、「田口」経由「見出」で下車することができます。

この資料館を訪れることで、地域の歴史や文化を学ぶだけでなく、設楽町津具の豊かな自然と共に、当時の人々の生活に触れることができる貴重な体験ができるでしょう。

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