設樂哲也

設樂 哲也

日本のラグビー界でフッカーとして活躍した設樂 哲也（したら てつや）氏は、1986年10月3日にこの世に生を受けました。群馬県高崎市で生まれ育ち、その地からラグビーキャリアをスタートさせた人物です。身長175cm、体重100kgというがっしりとした体格は、まさに最前線で体を張るフッカーというポジションに適したものでした。チームメイトからは「タラちゃん」という親しみやすいニックネームで呼ばれていました。

設樂氏がラグビーというスポーツに本格的に取り組むようになったのは、高校に入学してからです。それまでの経験を積み重ね、2005年に東京農業大学第二高等学校を卒業すると、神奈川県の関東学院大学へと進学しました。関東学院大学ラグビー部は、当時、全国屈指の強豪として知られており、多くの才能が集まる環境でした。設樂氏もその中で才能を磨き、大学4年次にあたる2008年には、チームの副将を務めるなど、リーダーシップも発揮しました。大学時代のチームメイトには、後にトップリーグやそれ以上のレベルで活躍する帯谷 大介氏、北川 勇次氏、清水 佑氏、田瀬 慎之介氏といった顔ぶれがおり、互いに切磋琢磨しながらレベルアップを図りました。

大学を卒業した2009年、設樂氏は当時のトップリーグチームであった三洋電機ワイルドナイツ（現在のパナソニック ワイルドナイツ）に加入しました。日本のラグビー最高峰リーグでの挑戦が始まったのです。入団後、すぐにレギュラーとして定着したわけではありませんでしたが、日々の練習で実力を積み重ねました。そして、2010年10月23日に行われたジャパンラグビートップリーグの第7節、福岡サニックスブルース戦において、途中出場ながら待望の公式戦デビューを果たしました。この一歩が、トップリーガーとしての確固たるキャリアを築く礎となりました。ワイルドナイツでは、強力なフォワードの一員としてチームに貢献しました。

三洋電機ワイルドナイツで経験を積んだ後、設樂氏は新たな挑戦の場を求めます。2017年、同じくトップリーグに所属していたキヤノンイーグルスへ移籍しました。イーグルスでもフッカーとしてプレーを続け、その経験と強みをチームにもたらしました。移籍後も、培ってきたスキルとフィジカルを生かし、チームの力となりましたが、2019年をもってキヤノンイーグルスを退団し、プロキャリアに一つの区切りをつけました。

設樂氏は、そのキャリアの中で、地域選抜チームである関東代表にも選出された経験があり、単に所属チームでの活躍にとどまらず、より広い範囲でその実力が認められていたことを示しています。フッカーとして、スクラムの最前線でチームを支え、ラインアウトでは正確なスローイングで攻撃の起点を作り、そしてオープンプレーでは体を張った突破やタックルで貢献する、まさに現代ラグビーにおいて多岐にわたる役割が求められるポジションを高いレベルでこなした選手と言えるでしょう。群馬県高崎市出身のラガーマンとして、そしてトップリーグという最高峰の舞台で長きにわたりプレーした選手として、設樂哲也氏のキャリアは多くのラグビーファンにとって記憶に残るものとなっています。

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