評定衆

評定衆の概要

評定衆（ひょうじょうしゅう）は、鎌倉時代から室町時代にわたって存在した日本の幕府における重要な役職の一つです。この役職は、鎌倉幕府における最高政務機関として機能し、行政、司法、立法といった広範な権限を有していました。

評定衆の設立と沿革

評定衆の起源は、1199年に源頼家が実権を持っていた時期の十三人の合議制に遡ります。この合議制は、源頼家の権力を抑えるために設けられたものでした。その後、1225年に北条泰時が若年の将軍藤原頼経を名目上の支配者とし、実質的に評定衆としての制度を確立させました。

この時期は、北条政子や大江広元といった幕府の創設期のキーパーソンが亡くなったこともあり、新たな評定衆の制度が必要とされた背景があります。評定衆の長を務めたのは、執権の地位を独占していた北条氏で、初代の席次筆頭には中原師員が選ばれました。

評定衆の機能と権力構造

評定衆は、幕府の政務を円滑に運営するための合議機関として機能しましたが、当時のシステムでは、将軍が直接的な権限を持つことはなく、合議に基づいて政務が行われました。このため、時代と共に、実質的な権力は北条氏に集中していきました。

鎌倉幕府が衰退するにつれ、評定衆は次第に形骸化していきました。特に鎌倉時代の後期には、北条一門内の得宗が実権を握り、評定衆は名目上の組織となりました。これが、評定衆の機能が低下した要因です。

室町時代の評定衆

室町時代でも、評定衆は幕政の一部として維持されましたが、北条氏末期の評定衆同様、足利氏一門においても名誉職的な性格が色濃く、実質的な権力は低いままでした。評定衆は、吉良氏や畠山氏といった高家格に属する者が当主に就任し、他家から選ばれる者は「出世評定衆」として位置づけられ、役職において格差が存在しました。

主要な評定衆一覧

評定衆には、数々の人物が名を連ねています。以下は代表的なメンバーの在任期間です：

• - 中原師員（1225年12月～1251年6月）
• - 二階堂行村（1225年12月～1238年2月）
• - 三浦義村（1225年12月～1239年12月）
• - 北条資時（1237年4月～1251年5月）
• - 安達義景（1239年～1253年6月）

さらに、江戸時代初期までその影響は残りつつも、実質的には消えていった政治構造の一部であることを理解することが重要です。

評定衆は、日本の政体における重要な存在であり、その形態は時代と共に変化しましたが、いずれも幕府の権力を形成する基盤でした。

もう一度検索