試製五式砲戦車

五式砲戦車の概要

五式砲戦車（正式名称：試製新砲戦車（甲）ホリ）は、大日本帝国陸軍が第二次世界大戦中に試作した戦車であり、燃料や装備の改良を通して進化する戦場においても力強さを示すことを目指しました。しかし、戦争の終結により、未完成のままその姿を消しました。

開発の背景

1943年6月、陸軍軍需審議会においてドイツとソ連の新鋭戦車が評価されたため、日本は既存の軍備を見直しました。この結果、同年7月には新たに75mmおよび105mmの戦車砲開発が決定され、試製十糎戦車砲（長）が選ばれました。ホリ車は全周が密閉された固定式砲塔を特徴としており、火力と装甲を兼ね備えた新戦車としての設計が求められました。

攻撃力と火砲の性能

主砲である試製十糎戦車砲（長）は、口径105mmを誇り、初速約900m/sであることから高い貫通力を持っていました。1,000mの距離で150mmの装甲板を貫通する能力が求められたほか、アメリカのM4中戦車やM26重戦車をも撃破できる射程を目指しました。また、装填機構の開発は当初の課題であったものの、試製砲は二門製造され、設計や試験を経て実用水準に達しました。

本砲は自動装填機構を搭載し、迅速に装填を行うことが可能でした。ただし、装填作業には一定の難しさがあり、改良の過程で様々な部品が流用されることで生産性が向上しました。試製十糎戦車砲の設計は1944年2月に完了し、収束した扱いとしては艦砲や他の砲兵器との共通性も模索されました。

車体の設計

車体部分は、ホリ車を基にした設計が行われ、砲側面の装甲は125mmを確保することで、敵火からの防護を考慮しました。このため、1000m付近の攻撃に耐えうる設計となっており、側面は25mmとされています。車体基盤はチリ車を元にし、ホリI型はドイツのエレファント重駆逐戦車に似せられました。

機関と搭載装備

ホリ車は、かつて航空用として開発されたV型12気筒エンジンを使用しており、車両奥深くに配置されました。代わりの機関として、伝統的なディーゼルエンジンではなく、旧式の航空ガソリンエンジンが用いられました。走行装置はチリ車と同じように設計され、戦争末期を迎える頃には、幾つかの車両が製造されていました。乗員は合計で6名と見込まれ、戦場において高い機動力を発揮することが期待されていました。

開発の終焉

残念ながら、終戦時には車体の製作は50%の進捗に留まっていました。にもかかわらず、その技術や設計は、戦後の日本陸軍や現代における戦車研究において重要な教訓とされています。

関連する展示や媒体

五式砲戦車は、その後も多くの資料や作品に登場しています。たとえば、戦車ゲームなどのデジタルメディアでは日本の駆逐戦車として扱われており、歴史的な価値や見地を提供しています。

本車両に関する資料や設計図の多くは失われていますが、その影響力と技術力は後世に馳せる影を今なお引き続き及ぼしています。

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