試製66mmてき弾銃

試製66mmてき弾銃について

試製66mmてき弾銃（しせい66ミリてきだんじゅう）は、1960年代に陸上自衛隊のために開発された軽量な対戦車擲弾発射器です。この装備は、当時の自衛隊の装備の向上を目的としており、特に対戦車および対人攻撃に使用されることを想定して設計されました。 本砲は、対戦車擲弾（成形炸薬弾）と対人榴弾の二種類を使用し、対物と対人の両面に対応できる仕様となっています。最初の試作型では、対人榴弾の口径は40mmでしたが、後にこれを66mmに統一されたとのことです。

開発の背景

昭和40年代の陸上自衛隊においては、歩兵が使用する対戦車兵器が古く、韓国戦争時代の89mmロケット弾発射器であるスーパー・バズーカしかありませんでした。この状況を打破するため、軽量で携帯性に優れた66mmてき弾銃が必要とされたのです。開発では、既存のM31 HEATライフルグレネードやM72 LAWと同じ口径を選定し、対戦車攻撃や一般地上目標への対応を目的としました。

主な開発企業には、豊和工業とダイキン工業が名を連ねています。1969年度には一次試作が施され、翌年には二次試作が行われました。これにより、合計4門が製作されましたが、初期の試作では部品の強度不足や射撃時の弾道不良が課題として浮上しました。

開発の進展

昭和46年にはダイキン工業が開発から撤退し、宇宙開発を手がける日産自動車の部門が後を引き継ぐことになりました。こちらは弾薬のロケット部分の開発を担当し、結果として命中率を20%から80%へと向上させることができました。しかし、開発は昭和56年度まで続きましたが、依然として命中精度や66mmという口径の威力不足の問題のため、正式採用には至りませんでした。その後、スーパー・バズーカの後継としてスウェーデンのFFV社製のカールグスタフが選定されることとなります。

構造と機能

試製66mmてき弾銃の特徴的な点は、後部が開閉式になっており、装填時に砲身を容易に扱える構造を持っている点です。砲身には4条のライフリングが施されており、銃本体は再使用が可能です。射撃時には、立ちながらや膝をついて、また伏射の体勢を取ることが可能で、伏射時には二脚が利用できます。また、推進炎から射手を保護するための防炎盾も装着できます。

特徴と課題

試製66mmてき弾銃の最も顕著な特徴は、反動を相殺するために駐退復座器を用いている点です。これにより軽量化が図られていますが、反動が大きくなり、結果として射撃精度の低下を招いたと考えられています。また、発砲時に銃口が大きく跳ね上がることも問題視されており、これは後退する銃身がストッパーに衝突することによるものでした。そのため、命中精度の悪化は見た目ほど深刻ではなかったとされています。

結論

試製66mmてき弾銃は、陸上自衛隊の研鑽の結果生まれた兵器ですが、実用化には至らなかったものの、後の装備品開発において貴重な経験を提供しました。新たな兵器の開発は、時代のニーズに応じた進化を続けています。

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