認可外保育施設

認可外保育施設とは

認可外保育施設は、児童福祉法に定められた保育所でありながら、都道府県知事などの認可を受けていない保育施設を指します。一般的には「無認可保育所」と呼ばれることもあります。

2015年4月に開始された子ども・子育て支援新制度により、保育の場は多様化し、保護者の選択肢が広がりました。認可外保育施設は、その多様な保育ニーズに応える存在として、重要な役割を担っています。

認可外保育施設の種類

認可外保育施設には、以下のような様々な種類があります。

一般的な託児施設:
「託児室」や「無認可保育所」などと呼ばれる、一般の子どもを対象とした施設です。
宿泊保育や深夜保育を行う施設は「ベビーホテル」と呼ばれます。
事業所内保育施設:
企業が従業員の子どもを対象に設置する保育施設です。
病院内に設置されたものは「院内保育所」と呼ばれ、看護師などの医療従事者の子どもを預かることが多いです。
院内保育所には、病児の一時保育を行う「病児保育所（保育室）」が併設されている場合もあります。ただし、病児保育所は定員が3名程度と少ないため、院内保育所と混同しないように注意が必要です。
その他:
イベント時に臨時に設置される託児スペースや、デパートなどで顧客向けに設置される託児スペースなどもあります。

また、2015年以降は、以下の形態も認可外保育施設として扱われるようになりました。

居宅訪問型保育事業:
いわゆるベビーシッター業です。
企業主導型保育事業:
企業が設置する保育施設です。

これらの施設は、基本的に個人や企業が自由に設置できますが、自治体の長による認可を受けていないため、「認可外保育施設」と呼ばれます。

認可外保育施設の現状と課題

2001年10月以降、「認可外保育施設指導監督基準」が適用され、定員6名以上の施設には届出が義務付けられ、行政機関による立ち入り検査や指導が強化されました。これにより、劣悪な環境の施設は減少傾向にありますが、保育定員が5名以下の施設は、設備や保育内容に関する公的な基準がないため、注意が必要です。

認可外保育施設の利用を希望する場合は、施設に直接申し込むのが一般的です。サービス内容や保育料は、施設が自由に設定できます。

認可外保育施設は、かつては認可保育所の基準を満たせない施設とみなされがちでしたが、近年では、認可による規制を嫌って、あえて認可外保育施設を選択したり、認可保育所と認可外保育施設を併設して幅広いニーズに応えたりするケースも見られます。

利用時の注意点

認可外保育施設の利用を検討する際は、以下の点に注意が必要です。

サービス内容:
保育時間や内容、保育士の資格などを確認しましょう。
保育料:
料金体系や追加料金の有無などを確認しましょう。
施設の安全対策:
事故防止対策や緊急時の対応などを確認しましょう。

憲法との関係

1970年、東京都議会では、無認可保育所への支出が憲法89条に違反するかどうかが議論されました。当時の美濃部都知事は、保育事業は「慈善、教育若しくは博愛の事業」には含まれないと主張しましたが、自民党側は含まれると主張し、見解が対立しました。

憲法第八十九条

公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

関連情報

認証保育所:
自治体独自の基準で認証された保育施設です。
認可保育所:
国が定めた基準を満たし、都道府県知事などの認可を受けた保育施設です。
一人親家庭:
一人親家庭向けの支援制度が用意されている場合があります。
共働き:
* 共働き家庭向けの保育サービスが充実しています。

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