共働き

共働きの概念とその影響

共働き（ともばたらき）とは、夫婦の両方が何らかの形で雇用され、働いている状態を指します。この形態は、一般的に「共稼ぎ」とも言われ、家庭内の働き手が二人いることから「2馬力」という表現も用いられます。また、共働き世帯は過去に「ダブルポケット族」と呼ばれることもありました。

共働きの状況は、夫が600万円以上、妻が400万円以上の年収を得る夫婦の場合、全体の約1％に該当します。夫婦両方が年収700万円以上であれば、全体の0.5％に相当します。このように、共働きは家計を支える重要な役割を果たしていますが、対義語としては「片働き」が存在します。

社会への影響

共働きの普及は、社会の消費活動や福祉行政に対しても大きな影響をもたらしています。例えば、共働き世帯の増加に伴い外食や中食の需要が高まり、家庭の消費スタイルが変化しています。さらに、共働きによって育児休暇が整備され、保育所の増設といった子育て支援が行われるようになりました。これらの要因は、経済の活性化にも寄与していると言えるでしょう。

少子化問題も共働きの影響を受けています。正社員の減少による家計の不安定化が少子化の一因と考えられていますが、共働きによって経済的な基盤を強化することが可能です。しかし、子育て支援が不十分である場合、逆に共働きが少子化を助長する可能性も指摘されています。

日本における推移

1980年代から1990年代にかけて、従来の夫働き、妻専業主婦という世帯構成が減少し、共働き世帯が増加しました。1990年代後半には、共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、2022年時点では共働き世帯は約1,278万世帯、専業主婦世帯は約517万世帯となり、その差は広がり続けています。

意識の変化

共働きが一般的になっている現在でも、結婚後に夫婦が共に働くことを望むかどうかは様々です。例えば、著書『下流社会』の著者である三浦展は、結婚後の専業主婦を理想とする女性の考えを示しています。このような意識は「新・専業主婦志向」として、小倉千加子によって説明されています。

地域による実態

共働きは日本だけでなく、世界中で見られる現象です。例えば、ヨーロッパでは扶養控除が存在しないため、共働きがより一般的です。一方、中国では共働きは普及していますが、保育制度が未整備なため、祖父母や雇われの家庭教師に頼るなどの工夫が行われています。また、中国の多くの小学校が全寮制であるため、週末にしか家庭に帰らない子供も少なくありません。

結論

共働きは現代社会において重要な働き方の一つであり、経済や育児支援において大きな影響力を持っています。地域による違いや夫婦間の意識の変化を踏まえつつ、今後の働き方や家庭のあり方について考えていく必要があります。

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