読売テレビ制作土曜夜7時枠のアニメ

読売テレビ制作土曜夜7時枠アニメ：歴史と変遷

読売テレビが制作し、日本テレビ系列で土曜19時～19時30分に放送されていたアニメ枠の歴史を紐解きます。この枠は、長きに渡り日本のアニメ史に大きな足跡を残しましたが、その歴史は決して平坦なものではありませんでした。

初期から『巨人の星』ブームへ

1967年4月、『黄金バット』を皮切りにこの枠はスタートしました。大塚製薬一社提供時代です。しかし、真の転換期は、続く『巨人の星』の大ヒットでした。空前のスポ魂ブームを巻き起こし、3年半にも渡る長期放送を実現しました。この作品は、後のアニメ史にも多大な影響を与えたことは言うまでもありません。

挫折と中断：制作体制と視聴率の波

しかし、『巨人の星』の後番組『天才バカボン』は、スポンサーである大塚製薬の意向により、ストーリーにアレンジが加えられた結果、不評を買ってわずか9ヶ月で終了。大塚製薬はスポンサーを撤退し、この枠は中断期間に入りました。その後、エイケン制作のアニメが放送されましたが、1年半で再び中断という苦境を味わいます。

3年半の中断を経て『新・巨人の星』で再開したものの、その後は『宇宙戦艦ヤマト2』終了後、頻繁な放送中断が続くようになります。『一ッ星家のウルトラ婆さん』は、わずか13回で打ち切られるなど、不安定な時期が続きます。

プロ野球中継との競合と終焉

1984年3月、人気シリーズ『ルパン三世 PARTIII』の放送で再開されましたが、プロ野球中継や年末年始の特番の影響で放送が度々中断されました。結果、前作のような人気を獲得することはできませんでした。そして、この枠はプロレス中継番組に取って代わられ、事実上終了しました。これは、1959年から続いた読売テレビ制作番組の土曜19時台前半枠の終了をも意味しました。アニメ枠は月曜19時枠に移行し、『ロボタン』が放送開始となります。

土曜午後アニメの不在と復活

その後、2009年4月に『名探偵コナン』が月曜19時枠から土曜18時枠へ移動するまで、実に23年半もの間、読売テレビ制作による土曜午後のアニメ枠は存在しませんでした。これは、この枠がいかに不安定で、放送継続が難しい状況にあったかを物語っています。

地方局での放送

広島テレビでは、プロ野球広島東洋カープ主催ゲームの中継（巨人戦以外のカード）を放送するため、平日17時台の再放送枠で遅れネット放送されることもありました。これは、ローカル局の事情が、番組放送に影響を与えていたことを示しています。

まとめ

読売テレビ制作土曜夜7時枠アニメは、視聴率の変動、スポンサーの意向、そしてプロ野球中継などの外部要因に翻弄されながらも、日本のアニメ史に数々の名作を残しました。この枠の歴史は、日本のテレビアニメ界の隆盛と困難、そして番組編成の複雑さを象徴するものであり、貴重な資料と言えるでしょう。番組の盛衰を通して、日本のテレビ放送の歴史の一端を垣間見ることができます。

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