請山

請山（うけやま）についての詳細解説

請山は、近世日本における特定の山や森林の利用の仕組みを指します。その内容は、対象となる山の種類や性質によって異なります。具体的には、寺社や領主が所有する山林を支配下の村、あるいは家臣や特定の個人に期間を定めて貸与する形態が一般的です。

概要

請山という言葉は一つではなく、さまざまな要素が含まれています。領主が保有する山林の中には、利用できる資源や条件が定められており、その使い方にはいくつかのバリエーションがあります。たとえば、領主が利用する重要な樹木（有用樹）を除く雑木や下草の採取は許可され、一般的にはその対価として銭や米、薪炭などが徴収されることがありました。

さらに、有用樹については、領主の承認を得た上で一定の価格で譲渡される場合もあります。このような仕組みによって、請山は単なる森林の貸与だけでなく、さまざまな経済的な交流や管理も伴うものだったことがわかります。

入会地の利用

また、請山には特定の入会地を持つ村と、そうでない村との関係も含まれます。持つ村がその権利を持たない村に対して、一定の条件（たとえば、利用の期限、採取量、料金など）を満たした上で利用を認めることがあります。このような設定は、通常、期限が適用される山林を請山と呼び、期限がない場合には卸山（おろしやま）、または定請山・永請山といった名称が使われます。

業者との契約

また、請山は山の所有者が業者に対しても利用を転貸することがあり、この場合は請負契約が適用されます。具体的には、材木の業者が山林を伐採したり、鉱山師が鉱山を経営するなどの契約の形で行われます。この仕組みは、請負山や運上山とも呼ばれ、経済の流動性を高める重要な役割を果たしていました。

参考文献

請山に関する詳細な情報は、以下の文献からも参照できます。

• - 所三男『国史大辞典 2』、吉川弘文館、1980年
• - 加藤衛拡『日本歴史大事典 1』、小学館、2000年

関連項目

このような請山の概念に関連するものとしては、御林という概念も挙げられます。御林は、御用木を供給するための特別な山林であり、国家や地方自治体によって管理されています。これらのシステムを通じて、近世日本における森林資源の利用は、非常に多様であることが理解できます。

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