請求記号

図書館で資料を探す際に目にする請求記号は、図書館資料の背表紙に貼られたラベルに記載された記号や番号のことです。これは、資料を書架に並べる順番を示すものであり、図書館における資料の場所を特定するために重要な役割を果たしています。かつて図書館が閉架式だった頃の名残で「請求記号」と呼ばれていますが、現在では開架式の図書館が主流となったため、利用者が資料を直接探す際の目印としても活用されています。

請求記号は、通常1段から3段程度のラベルで構成されており、上から順に分類記号、著者記号、その他の記号が記載されます。これらの記号は、その図書館が採用する分類法に基づいて資料の種類や著者を特定し、さらに資料の所在を細かく指定するためのものです。ラベルの表記は、段ごとに記号を分ける方法と、1行にまとめて記述する方法があります。

分類記号

分類記号は、図書館が採用している図書分類法に基づいて、資料のジャンルを示す記号です。日本では、日本十進分類法がよく用いられます。例えば、料理の本であれば「596」、日本の小説であれば「913」といった記号が与えられます。分類記号の桁数は、図書館の規模や所蔵資料の量によって異なります。公共図書館では、小説などのジャンルで、分類記号を省略したり、ジャンルを表す記号で代用したりする場合があります。

著者記号

著者記号は、著者の姓の読み仮名やローマ字表記の頭文字を基に付与されます。著者が多数いる場合やシリーズものの場合は、書名や出版者名、シリーズ名から付与されることもあります。例えば、日本の図書館で「山田」姓の著者の本には、「や」「ヤマ」「Y」などの著者記号が付けられます。

その他の記号

その他の記号には、別置記号、受入順記号、複本記号などがあります。

別置記号

別置記号は、通常の書架とは異なる場所に保管される資料を示す記号です。例えば、閉架書庫に保管される資料には「C」、参考図書には「R」といった記号が加えられます。近年では、別置ラベルを貼り付けて区別する図書館も多くなっています。

受入順記号

受入順記号は、分類記号と著者記号が同じ資料を区別するために、資料の受け入れ順に付与される番号です。一般利用者が立ち入らない閉架書庫や、国立図書館、大学図書館などで使用されます。

複本記号

複本記号は、同一の資料が複数冊ある場合に、それぞれを区別するために付与される番号です。

その他の要素

請求記号には、シリーズものや逐次刊行物の巻冊次、逐次刊行物の年次、版次、発行年などが含まれる場合があります。

請求記号は、図書館における資料の管理と利用を円滑にするための重要なシステムです。請求記号を理解することで、図書館の資料をより効率的に探し、利用することができます。

関連項目

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