譚 (春秋)

譚（たん）は、紀元前11世紀から紀元前684年まで存在した古代中国の諸侯国です。周王朝の初期、武王によって姒姓の人物がこの地に封じられ、国が建てられました。

位置は現在の山東省済南市章丘区の西にあたり、爵位は子爵でした。しかし、譚は常に国力が弱く、周辺の強国、特に斉の勢力に大きく左右される状況でした。事実上、斉の附庸国のような立場にあったと考えられています。

譚と斉の関係が悪化するきっかけとなったのは、斉の公子小白（後の桓公）が亡命中に譚を通過した際、譚の国君が彼を十分に歓待しなかったことでした。後に小白が斉の君主として即位した際、譚は祝賀の使者を送らなかったため、斉の桓公の怒りを買うことになります。

最終的に、紀元前684年、斉は譚を攻め滅ぼし、譚の国君は同盟関係にあった莒（きょ）へと亡命しました。これにより、譚という国は歴史から姿を消すことになりました。しかし、譚という国名は、その後、この地をルーツとする人々の姓氏として受け継がれることになりました。

譚の歴史は、古代中国における小国の苦悩と、大国の興亡に翻弄される姿を如実に表しています。その存在は、春秋時代の複雑な国際関係を理解する上で、重要な事例の一つと言えるでしょう。

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