警察音楽隊

警察音楽隊について

警察音楽隊（けいさつおんがくたい）は、音楽の演奏を通じて地域社会と警察との関係を深め、警察活動を広く知らせるために設立された部隊です。日本では、各都道府県の警察に音楽隊があり、県民との融和を目的とした多様な活動を展開しています。

沿革

戦前の設立

警察音楽隊は、その起源を1934年に遡ります。当時、神奈川県警察部警務課内に音楽隊が編成され、実働メンバーはわずか8名でした。その後、1936年には警視庁において、陸軍戸山学校から楽長が迎え入れられ、警視庁音楽隊が11名で発足しました。さらに1937年には大阪府警察音楽隊が設立され、全国的に警察音楽隊の組織が拡充されていきました。

しかし、第二次世界大戦の影響により、音楽隊の活動は厳しい状況に直面しました。戦争による人員不足などで、神奈川県警音楽隊は1937年12月に解散を余儀なくされ、他の音楽隊も続々と一時解散となってしまいました。

戦後の再発足

戦争が終結すると、音楽隊も再び活動を開始しました。1945年には大阪府警音楽隊が再設立され、1947年には宮崎県警音楽隊が設立され、1948年5月には警視庁音楽隊が再発足しました。こうした動きが全国に広まり、1950年には神奈川県警音楽隊も復活を果たしました。

その後、全国各地に警察音楽隊が設立されていき、1980年には全47都道府県に音楽隊が揃いました。さらに、皇宮警察本部音楽隊も含めると全国で48隊となります。

組織のタイプ

日本の警察音楽隊は大きく分けて「専務隊」と「兼務隊」の2種類があります。

専務隊

専務隊は音楽活動を専門に行う部隊で、北海道や埼玉県、警視庁、千葉県、神奈川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県などの11都道府県に存在します。これらの隊員は多くが警察官の身分を持つプロの音楽家であり、通常の公務員試験だけでなく音楽隊のオーディションを通過する必要があります。

兼務隊

一方、兼務隊は通常業務と音楽活動を兼ねる形で構成されています。主に広報関連の部門や交通[[機動隊]]などの業務に従事しつつ、音楽の演奏を行う隊員が中心です。皇宮警察本部音楽隊もこのカテゴリーに入ります。

全国警察音楽隊演奏会

警察音楽隊の一大イベントである全国警察音楽隊演奏会は、1956年に警視庁音楽隊長の発案により始まりました。演奏会は全国の警察音楽隊が一堂に集まり、国民との融合を図る場として設けられています。音楽を通じて、警察に対する理解と信頼を深めることを目的とし、さまざまな演奏が行われます。開催地の都道府県警察や警察庁、警察協会が共同で主催するこの演奏会は、地域コミュニティにおける警察の姿を紹介する重要な機会です。

このように、警察音楽隊はその活動を通じて地域社会とのつながりを深める役割を果たし、また、音楽の力を借りて市民との信頼関係を強化するための大切な存在となっています。

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