警視庁 (旧警察法)

警視庁の歴史と機能

1948年から1954年にかけて、警視庁は東京23区内の警察業務を担った自治体警察としての役割を果たしました。この期間の警視庁の設立や組織構成、そして関連する法令の変遷について詳しく見ていきます。

概要

1948年に、内務省による警視庁が解体されたことを受けて、国家地方警察東京都本部と自治体警察としての警視庁（旧警察法）が新たに設立されました。これにより、特別区公安委員会が東京都知事のもとに置かれ、東京都議会の同意を得て公安委員が任命されました。ただし、この特別区は個々の区が独自の警察権限を持つのではなく、東京都全体を統括する形で機能しました。

警察の管轄

東京23区以外の地域は、八王子市警察などの各市町村の警察、あるいは国家地方警察東京都本部によって管理されていました。その際、国家地方警察は通信や警察教養施設の管理権を保持していたため、東京都内の警察活動における権限についても都道府県警と警視庁の間で対立がありました。

沿革

1948年

• - 3月7日: 旧警察法が施行。これにより、警視庁（内務省）が廃止され、国家地方警察東京都本部、特別区を管轄する警視庁（旧警察法）、市町村自体の警察に再編成されました。
• - 5月25日: 警視庁内の防護隊が拡充され、警視庁予備隊へと改編されました。

1949年から1952年

続いて、1949年には公安条例反対のデモが劇化し、予備隊が出動する事態となるなど、社会情勢が警察活動に影響を与える場面も見受けられました。1950年には警ら部と交通部が新設され、組織の再編成が進められました。また、1952年の改正により、内閣総理大臣の権限が強化され、警視庁の運営に変化が訪れました。

1954年

そして、1954年7月1日に施行された新しい警察法により、国家地方警察および自治体警察は廃止され、東京都全体を管轄する新たな警視庁が設立されました。この新警視庁には、高文組に属する元内務官僚が幹部として多く採用され、以前の自治体警察とは異なる体制が構築されました。

組織構成

1954年時点での警視庁は、以下のような組織構成を持っていました。

• - 総監室: 計画や広報、予算管理を行う部門。
• - 人事部: 人事に関する業務を統括。
• - 警邏交通部: 交通関連の業務を担当。
• - 警備部: 公安の維持に関する部門。
• - 刑事部: 捜査と鑑識を行う役割を担う。
• - 防犯部: 防犯に関する課題に対応。

歴代の警視総監と事件

旧警察法のもとでは、田中栄一が警視総監として在任。彼の下では数々の問題が扱われ、特に注目された事件としては下山事件や台東会館事件などがあります。これらの事件は、当時の社会状況や警視庁の運営に深く関わっています。

まとめ

警視庁は、1948年から1954年までの間、東京都の警察業務を担い、さまざまな法令や社会情勢の変化に対応してきました。特に新警察法施行後の組織改革は、今日の警視庁の基盤を作る重要な時期であったと言えるでしょう。

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