警視庁東京国際空港テロ対処部隊

警視庁東京国際空港テロ対処部隊について

警視庁東京国際空港テロ対処部隊は、警視庁警備部に所属し、東京国際空港（羽田空港）における航空保安に関する警戒警備を専門とする部隊です。警備第一課の附置機関として、空港の安全確保という重要な役割を担っています。全国の空港を専門とする警備部隊としては、千葉県警察の成田国際空港警備隊に次ぐ、2例目にあたります。

部隊の沿革

羽田空港の歴史は、1952年に連合国軍最高司令官総司令部から日本に返還された東京飛行場が、民間空港として再開されたことに始まります。それに伴い、空港内の警察業務のため、蒲田警察署から人員が配置され、「東京国際空港警戒配置箇所」が設けられました。その後、1955年には「東京国際空港警備派出所」、1958年には「蒲田警察署羽田空港支所」と改称し、1960年4月1日には東京空港警察署へと昇格しました。この際、警務係、外事係、刑事防犯係が設置され、空港における警備体制が確立されました。

1978年に新東京国際空港（成田空港）が開港すると、羽田空港は国内線中心の運用に変わりました。しかし、成田空港の都心からのアクセスの悪さや発着容量不足の問題から、利便性の高い羽田空港の再国際化が求められ、2010年には新たな国際線旅客ターミナルと4本目の滑走路が完成しました。

テロ対策部隊の設立

羽田空港の国際化が進むにつれて、警視庁警備部では、空港を狙ったテロに対する警戒強化の必要性が高まりました。そこで、2012年4月3日、第六機動隊の下に「空港警備中隊」が発足しました。この中隊は53名体制で、銃器対策、爆発物処理、化学防護などの特殊技能を持つ人員で構成され、4交代制で空港に常駐していました。

2014年4月、国際線ターミナルの拡張に伴い、空港警備中隊を改編し、独立した組織として「東京国際空港テロ対処部隊」が設立されました。この際、人員は67名に増強され、機動隊から独立し、警備第一課の附置機関となりました。さらに、2020年の東京オリンピックに向けて、部隊の増員と空港に隣接する新庁舎の建設が進められ、爆発物を探知する警備犬も常駐する体制となりました。

部隊の役割と重要性

東京国際空港テロ対処部隊は、高度な専門性と機動力を備え、テロの未然防止や発生時の迅速な対応を任務としています。国際化が進む羽田空港において、その安全を確保するための重要な役割を担っており、日々警戒にあたっています。また、テロ対策だけでなく、空港内での不審物の発見や緊急事態への対応も行っており、空港の安全・安心を守るために欠かせない存在となっています。

参考資料

朝日新聞 (2012年). “羽田空港警備に専従部隊　国際便拡大受け、警視庁新設へ”.
警視庁史編さん委員会 編『警視庁史 昭和中編(下)』警視庁、1996年。
* 東京都公安委員会 (1972年). “公安委員会規則第2号 警視庁組織規則”.

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