護樹騎士団物語

護樹騎士団物語

『護樹騎士団物語』は、水月郁見氏によって執筆されたライトノベル作品です。イラストは鈴木理華氏が担当し、トクマ・ノベルズEdgeより2005年4月から刊行されています。

世界観

物語の舞台となるのは、ミルソーティアと呼ばれる異世界。多元宇宙に存在する地球の一つであり、真貴族と呼ばれる支配者層を頂点とした貴族社会が構築されています。科学技術は現実世界よりも進んでいる部分もありますが、社会制度は封建的で、4000年前からほとんど変化していません。かつては次元回廊網を通じて他の地球を植民地としていましたが、4000年前に発生した「大接触」と呼ばれる現象によって次元回廊網が寸断され、地表の3分の2が破壊されました。

あらすじ

主人公は、リジューという名の少年。彼は物心ついた時から父親と共に巡礼の旅を続けていました。12歳になった時、父親から突然別れを告げられ、一人ぼっちになってしまいます。父親を探そうとするリジューでしたが、衛兵に追われたり、逃亡領民と間違われて拘束されたりと、困難に見舞われます。そんな中、黒兜師団と名乗る軍団が城に侵攻し、リジューは城の人々とともに捕らえられ、殺されそうになります。しかし、謎の喋る黒猫「ノワール」に助けられ、領主とその息子しか動かせないはずの守護騎を操縦し、敵を撃退することに成功します。ところが、城の人々から死んだ引きこもりの領主の息子“エミュール”と勘違いされてしまい、ディオデイト家の存続を企むオゾンに、死んだ領主の息子の代わりとして新しい領主として立てられることになります。

登場人物

主要人物

リジュー・グレネル・ラファル（エミュール・ヴィー・ディオデイト）
本作の主人公。巡礼の少年から、ひょんなことからディオデイト家の後継者エミュールとして生きることになります。温厚な性格ですが、負けず嫌いな一面も持ち合わせています。アシュレイ・ジュード少尉に憧れ、護樹騎士団を目指しています。
ノワール
喋る黒猫。実はエール・アンブラッゼ一号機の有機体プローブであり、4千年以上生きているとされています。高い知能を持ち、リジューを導きます。
オートリーブ・オゾン
ディオデイト家を取り仕切る紋章官。リジューをエミュールに仕立て上げ、ディオデイト家の存続を図ります。上級貴族に対して憎悪の念を抱いているようです。
トゥール・ノアン
ディオデイト家の元女官長。没落したイア子爵家の第一公女。リジューたちと共に守護騎で逃走中に倒れ、その後、黒い旋風の洋上艦に残されます。

護樹騎士団

ビアン・ネメ・ミラボー
ミラボー伯爵家公女で、護樹騎士団幼年学校初の女子候補生。リジューをライバル視していますが、次第に意識し始めます。
ジャン・ルイ・ディラック
ディラック男爵家第一公子。女性の扱いがうまく、主人公を何かと助けてくれます。
イヴァン・ドゥ・アンヴァンシブル
アンヴァンシブル侯爵家第一公子。理想主義者で自信家。リジューを最初は嫌っていましたが、後に実力を認め、戦友となります。
アシュレイ・ジュード少尉
護樹騎士団初級先任士官。リジューが護樹騎士団を目指すきっかけとなった人物。

ミルソーティア征服府

ネフェシュ・アッパーウィル・スプランドゥル
征服府統合執政官。征服府の事実上の支配者である＜真貴族＞の先導者。
イェヅツ公爵
ミルソーティア征服府一級官僚。黒兜師団を率いてディオデイト城を襲撃した人物。

黒い旋風

黒い旋風（仮称）
反政府秘密組織＜黒い旋風＞の首領。リジューと何らかの関係があるようです。

守護騎

各領地に存在する巨大人型戦闘機。領主の血族にしか操縦できないようになっています。

シュペル・アンヴァイール
ブランデアンジュ
エール・アンブラッゼ一号機

用語

ミルソーティア
物語の舞台となる異世界。封建的な社会制度を持つ領邦国家です。
護樹騎士団
貴族社会が生み出した義勇騎士団。貴族の紛争を調停・鎮圧します。
黒兜師団
征服府の中枢部隊。暗殺や謀略を専門とします。
真貴族
* ミルソーティアの最上層に位置する支配者集団。

『護樹騎士団物語』は、個性豊かなキャラクターたちが織りなす、ファンタジーとSFが融合した物語です。リジューの成長や、ミルソーティアを巡る陰謀、そして守護騎による戦闘など、様々な要素が楽しめます。

もう一度検索