讃岐味噌

讃岐味噌について

讃岐味噌は、香川県（旧讃岐国）で製造される、白味噌の一種です。その特徴は、塩分濃度が約5%と低く、麹の割合が25%と高い点にあります。これにより、甘みが強く、ふっくらとした独特の風味が生まれます。関西地方で好まれる白味噌の中でも、特に甘口の部類に入り、府中味噌と並び称されることもあります。

特徴

讃岐味噌は、その甘さとまろやかさが特徴です。これは、低い塩分濃度と高い麹歩合によるものです。一般的に、白味噌は塩分濃度が高いほど塩味が強くなりますが、讃岐味噌は塩分を抑えつつ、米麹をたっぷりと使用することで、甘みを最大限に引き出しています。この甘みが、讃岐味噌を他の味噌と区別する大きな要素となっています。また、香川県西部ではハダカムギを使った麦味噌も生産されています。

歴史

讃岐味噌の歴史は、意外にも第二次世界大戦後まで遡ります。戦時中の統制が解除された後、香川県内の味噌製造業者が集まり、1950年に組合を設立しました。この組合は、市場のニーズを分析し、当時、関西市場で需要が高かった甘口の白味噌の生産に注力することを決定しました。讃岐米を最大限に活用し、高級志向の白味噌を製造する戦略が立てられました。

組合は、原料の共同購入や技術開発を行い、製造工程の規格を統一しました。さらに、県外への出荷は組合ブランドに統一することで、品質の維持とブランド力の向上を図りました。この戦略が功を奏し、讃岐味噌は市場で高い評価を得るようになりました。

また、讃岐味噌は、1958年から始まった全国味噌鑑評会に初回から参加し、甘味噌部門で最高位を獲得するなど、その品質の高さが広く認められました。当初は香川県産の米と大豆を使用していましたが、1980年代半ばからは、作付け状況の変化などにより、アメリカ産の米やカナダ産の大豆を使用するようになりました。

香川県の味噌生産量は、1971年には年間6,300トンでしたが、2009年には926トンにまで減少しました。しかし、讃岐味噌は、そのブランド力と品質の高さから、現在でも一定の評価を受けています。そして、2023年1月31日には、地理的表示（GI）保護制度に基づき、保護対象として登録されました。

讃岐味噌の未来

讃岐味噌は、その歴史と伝統を受け継ぎながら、新たな挑戦を続けています。地理的表示保護制度の登録を機に、さらなる品質向上とブランド力の強化を図り、国内外への販路拡大を目指しています。また、地域産品としての価値を再認識し、地元の活性化にも貢献していくことが期待されています。讃岐味噌は、その甘さと風味で、これからも多くの人々に愛されるでしょう。

参考資料

中国[[四国農政局]]高松地域センター『「食育セミナー2014in 高松」開催概要 ～香川の「さ・し・す・せ・そ」～』（レポート）
日本醸造協會雑誌編集部「品質で推す」『日本醸造協會雑誌』第66巻第6号
* 農林水産省[地理的表示]保護制度登録産品：サヌキ白みそ（登録番号第124号）

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