谷口五郎

谷口 五郎（たにぐち ごろう）

谷口五郎は、1901年1月2日に佐賀県で生まれ、1980年9月26日に逝去した日本の野球選手です。彼は小野三千麿、湯浅禎夫と並び「大正三大投手」として称えられ、当時の野球界において大きな名声を得ました。彼の投球スタイルと成績は、今なお多くの人々に記憶されています。

経歴

谷口は釜山商業を卒業後、1920年に早稲田大学に進学しました。彼は左腕の投手であり、その美しいフォームから繰り出される快速球が大きな武器でした。早稲田大学の黄金期において、彼はエースとして活躍しました。

彼の大学でのデビューは1920年10月に行われた早稲田と明治大学の対戦でした。この試合が彼の初先発という大役を担うこととなりました。当時、早稲田は投手不足に悩まされており、谷口が起用されました。彼は明大のエース渡辺大陸と対戦し、見事な投球で8対0の完封勝利を収め、観客の喝采を浴びました。

1921年の春には、第4次アメリカ遠征に参加しました。ここで投手陣が体調を崩す中、谷口はほぼ全試合に登板し、その経験が彼の選手としての成長を促しました。彼が活躍したことにより、1921年の秋の4大学リーグと1922年の秋の5大学リーグでの完全優勝に大きく貢献しました。

当時、早慶戦は中断されていたため、早稲田大学のOBチームと慶應義塾大学のOBチームによる対抗戦が行われ、その中でも谷口と小野三千麿の投げ合いは特に人気を集めました。1922年秋の試合では、谷口が投球モーションを逆に行い、その結果として三田側がボークではないかと抗議し、物議を醸しました。この「逆ワインドアップ事件」として知られるエピソードは、今でも語り継がれています。

谷口の大学での成績は、東京4大学リーグと東京5大学リーグを通算して11勝2敗という見事なものでした。

1923年からは社会人野球の大連実業団に所属し、1928年には第2回全日本都市対抗野球大会に出場しました。この大会では、彼は投打の中心としてチームを牽引し、決勝戦では東京倶楽部の新田恭一と対決して1ランニングで勝利を収めました。この際、彼は「岩瀬五郎」の名義でプレーしていました。

その後、彼は1951年には常磐炭鉱の野球部監督を務め、さらに1953年から1957年には読売ジャイアンツでコーチを担当し、1959年から1963年には大洋ホエールズで再度投手コーチとして活躍しました。

谷口五郎は1979年に野球殿堂入りを果たし、その功績が称えられる形となりました。彼は1980年にこの世を去りましたが、その業績は今日まで多くの人々に記憶され続けています。

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