谷口輝子

谷口輝子：生長の家を支えた女性の生涯

谷口輝子（たにぐち てるこ）は、1896年3月7日に生まれ、1988年4月24日に没した日本の宗教家です。生長の家創始者である谷口雅春の妻であり、生長の家白鳩会の初代総裁を務めました。旧姓は江守。

生い立ちと結婚

輝子は富山県高岡市で、父が長年助役を務める家系の八女として誕生しました。12歳の時に父を亡くし、家計は苦しくなりましたが、富山県立高岡高等女学校を卒業後、18歳で大阪の商家に嫁ぎました。しかし、夫の放蕩により離縁。

1919年、姉の勧めで大本教に入信し、綾部で修行生活を送ります。そこで谷口雅春と出会い、互いに惹かれあい、歌や詩を通じて親交を深めました。1920年11月22日、二人は結婚しました。

生長の家での活動

その後、雅春は大本教を脱退し、1923年の関東大震災後、輝子は身重の体で雅春と共に高岡へ戻り、長女の恵美子を出産。神戸で雅春がサラリーマン生活を送る傍ら、宗教的な探求を続けました。

1929年12月13日、雅春は神の啓示を受け、『生長の家』誌の執筆を開始します。輝子は雑誌発展のため伏見稲荷大社へ参詣し、宇治別格本山内に末一稲荷神社が建立されるきっかけを作りました。1930年3月1日、『生長の家』創刊号が発行され、輝子も雅春や恵美子と共に普及活動に尽力しました。1935年には一家で東京へ移転し、教勢拡大に貢献しました。

白鳩会の創設と総裁就任

1936年1月、「教化団体生長の家」が設立され、女性信徒を中心に女性のための組織設立の機運が高まりました。同年2月、「白鳩会」が設立され、輝子は中心的な役割を果たします。白鳩会は、純潔と平和・万物調和を象徴する組織として、女性の家庭光明化を目指しました。

太平洋戦争後、1951年に輝子は生長の家白鳩会総裁に就任。女性組織の中心として、精力的に指導に当たりました。1963年、1972年、1973年の雅春の海外巡錫にも同行し、布教活動に貢献しました。

1975年、雅春夫妻は長崎県西海市の生長の家総本山へ移転し、『白鳩』『理想世界』などへの寄稿を通して、主に女性を対象とした布教活動に尽力しました。

晩年と死去

1985年6月17日、夫・雅春が91歳で死去。同年11月22日、谷口清超が生長の家総裁を継承し、輝子は娘の恵美子に白鳩会総裁の職を譲りました。その後も総本山で信徒への講話や文筆活動を続けましたが、1988年4月24日に92歳で死去。雅春と共に生長の家総本山の「谷口家奥津城」に埋葬されました。

信徒からは「聖姉」と呼ばれ、多くの人々に慕われました。

著書

輝子は、数多くの著書を出版し、女性の生き方や心のあり方について説きました。主な著書には以下のようなものがあります。

『女性の書』
『めざめゆく魂』
『光をみつめて』
『ひかりは海を越えて』
『愛に灯ともす』
『いのちを拝む』
『光の中をあゆむ』
『信仰の幾山河』
『愛が魂に目覚める時』
『こころの安らぎ』
『愛は到るところに』
『女性に生まれ 愛に生き』
* 『師と仰ぎ 夫と仰ぎて』

谷口輝子は、激動の時代を生き、夫と共に生長の家の発展に尽力し、女性の地位向上に貢献しました。その教えは、今も多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索