谷本寛治

谷本寛治の経歴と業績

谷本寛治（たにもと かんじ、1955年9月生まれ）は、日本の経営学において著名な人物であり、多くの機関や大学にて教鞭を執っています。彼は一橋大学の名誉教授であり、早稲田大学の教授でもあります。また、ベルリン自由大学や国立台北大学で客員教授としても活動してきました。彼の専門領域は「企業と社会」論、企業の社会的責任（CSR）、サステナビリティ経営、さらにソーシャルイノベーションです。

彼は、経済産業省、厚生労働省、環境省、国土交通省、内閣府の様々な審議会や委員会に参加し、また公認会計士試験の委員も歴任してきました。さらに、数十社の企業に対してCSR報告書の第三者意見書を提出し、アドバイザーとしての活動も行っています。

初期の経歴

谷本は、大阪府大阪市東区に生まれました。教育を受けた後、1979年に大阪市立大学商学部を卒業し、経営学の道を歩み始めます。彼の指導教官であった川崎文治氏の指導の下、1984年に神戸大学大学院経営学研究科の博士課程を修了しました。1989年には経営学博士の学位を取得しました。

その後、和歌山大学経済学部で教授としての経験を積み、1997年には一橋大学商学部の教授に就任しました。一橋大学大学院商学研究科でも教授を務め、さらに2005年には特定非営利活動法人ソーシャル・イノベーション・ジャパンの代表理事に就任しました。

国際的な活動

彼は、国際的な舞台でも積極的に活動しており、2010年から2017年にかけてベルリン自由大学の客員教授を務め、さらに国立台北大学やコロンビアビジネススクールでも教授職を経験しました。また、2020年にはパラヤンガンカトリック大学で客員教授を務めています。

学会活動

汎アジアのCSRや企業倫理に関する研究・出版にも力を入れており、数多くの学術誌に論文を寄稿し、編集委員としても活躍しています。中には、「Corporate Governance: The International Journal of Business in Society」や「Sustainability Accounting, Management and Policy Journal」などの著名な学術誌があります。

主要な著作

谷本は多くの著書を執筆しており、以下はその一部です：

• - 『企業権力の社会的制御』（1987年）
• - 『企業社会システム論』（1993年）
• - 『CSR経営』（編著、2004年）
• - 『日本企業のCSR経営』（2014年）
• - 『企業と社会：サステナビリティ時代の経営学』（2020年）

これらの書籍は、企業と社会の関係性や、CSR、社会的責任についての新たな知見を提供しています。

教育への貢献

彼は、教育者としての使命感も強く、学生や若手研究者に対して国際レベルの論文執筆や学会発表に関する指導を行っています。2021年には『研究者が知っておきたいアカデミックな世界の作法』という書籍も出版し、若手研究者への助言を行いました。

まとめ

谷本寛治は、経営学の分野で多様な活動を展開し、企業の社会的責任やサステナビリティに関する教育・研究において重要な役割を果たしています。彼の業績は、経営学だけでなく、広く社会にも影響を与えていると言えるでしょう。

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