谷歌

谷歌（グーガー）とは

谷歌（グーガー、拼音: Gŭgē）は、Googleが中華人民共和国で展開する際のブランド名です。かつては中国国内で広く利用されていた検索エンジンでしたが、中国政府によるネット[[検閲]]システム「グレート・ファイアウォール」の影響を受け、サービスが大幅に制限されることとなりました。

歴史

2006年4月12日、Googleは北京で記者会見を開き、中国でのサービス開始を発表しました。中国国内では「谷歌」という名称で展開されましたが、中国語の「谷」は「穀」の簡体字にあたります。

当初、Googleは中国政府の検閲を受け入れ、検索結果から中国共産党の主張に反するサイトを排除していました。この姿勢は、表現の自由を重視するアメリカの政府やマスコミから強い批判を受けました。

2008年5月12日に発生した四川大地震の際には、Googleの中国版サイトはモノクロのデザインに変更され、全国哀悼日にはアクセス数が大幅に減少しました。

2009年には、Googleの中国国内でのシェアは33%に達しましたが、競合の百度には大きく水を開けられており、ビジネス的には苦戦を強いられていました。Google上層部の一部は、検閲が百度に有利に働いていると認識しており、外国企業の進出を阻害する不公平な保護主義だと考えていました。

一方、人権団体などからは「Googleは中国の人権を侵害する検閲を受け入れることで、中国市場で利益を得ている」という批判も出ていました。

サイバー攻撃と撤退

2010年1月12日、Googleは中国を拠点としたサイバー攻撃により、人権活動家のGmailアカウントなどが標的にされたことを発表しました。この事件をきっかけに、Googleは中国政府による検閲を受け入れない方針を表明しました。

その後、中国政府との間で検閲なしの検索サービス提供を求める交渉が行われましたが決裂し、2010年3月22日に「google.cn」は検閲を行っていない香港版「google.com.hk」への自動リダイレクトに変更されました。その後、香港版へのリンクに移行しました。

中国市場再参入の動き

2016年以降、Googleは中国市場への再参入に向けて様々な動きを見せています。

2016年8月1日、Google中国は本社を北京に移転。
2016年12月8日、中国の開発者向けに開発者サイトを開設。
2017年8月31日、TensorFlowの中国向け事業を発表。
2017年5月、中国政府と共同で囲碁サミットを開催。
* 2017年12月13日、Google AI中国センターの設立を発表。

2020年8月14日には、香港の国家安全維持法が制定されたことを受け、Google中国は香港当局からのデータ要求に直接応じない方針を表明しました。これは、米国の法律に基づいて対応するためです。

中国政府との関係

Googleは当初、中国政府の検閲に協力したことで、アメリカ合衆国議会から批判を受けました。現在も、Googleと中国政府の関係は複雑であり、今後の動向が注目されています。

現状

現在、Googleは中国本土では検索サービスを提供していませんが、一部の開発者向けサービスやAI研究センターなどを展開しています。また、中国への検索事業の再参入計画が進められていましたが、事実上凍結されたことが報じられています。

Googleは中国市場からの完全撤退を否定しており、今後の動向が注視されます。

まとめ

谷歌は、Googleが中国市場で展開するブランドであり、その歴史は中国政府との複雑な関係と、ネット[[検閲]]という課題に翻弄されてきました。一時的な撤退を経て、現在は再参入の可能性も模索されていますが、その道のりは依然として不透明です。

今後のGoogleが中国市場でどのような戦略を取るのか、また中国政府との関係がどのように変化していくのか、引き続き注目が必要です。

もう一度検索