豆子郎

株式会社豆子郎：山口の銘菓「豆子郎」と地域密着の歩み

山口県山口市大内御堀に本社を置く株式会社豆子郎は、伝統的な和菓子の製造販売を行う企業です。代表商品である「豆子郎」は、外郎生地に蜜炊きの大納言小豆をちりばめた、同社独自の和菓子。その独特の風味と食感で、地元の人々から長年愛され続けています。

創業から現在まで：満州鉄道技師から和菓子職人へ

1948年（昭和23年）、満州鉄道のエンジニアであった田原美介氏が創業しました。帰国後、日本の食の状況を目の当たりにした田原氏は、身近な材料で美味しいお菓子を作りたいという思いから、和菓子業界に飛び込みました。

社名である「豆子郎」は、元々は菓子職人ではない素人が作ったことを意味する「トーシロー」をもじったもの。そこに、大納言の「豆」、外郎の「郎」、そして外郎から生まれた「子」という字が加えられています。「子」は、お菓子が一口、二口、三口で食べきれるよう、拍子木状に小分けしたことに由来しています。

創業当初から地元密着の姿勢を貫き、1994年には本社工場を大内御堀に移転。その後、2017年には品質管理の都合から、県外唯一の直営店であった横浜あざみ野店を閉店しました。現在、同社の製品は、主に山口県内の直営店で販売されています。

商品ラインナップ：定番から季節限定まで

豆子郎は、主力商品の「豆子郎」以外にも、滑らかな舌触りが特徴の「生絹豆子郎」や、「のんた」など、様々な和菓子を製造しています。それぞれの商品には、素材へのこだわりと、伝統的な技法が息づいています。季節限定商品も販売され、常に新しい味覚を提供することで、顧客を魅了し続けています。

地域に根付くCMソングとスポーツとの連携

株式会社豆子郎は、地域社会との繋がりを大切にしています。その象徴と言えるのが、長年にわたって放送されているCMソング「豆子郎さん通りゃんせ」です。山口市の名所を織り込んだ歌詞は、地元の人々の郷愁を呼び起こし、親しまれています。

1980年代から放送されている同CMは、2006年にはハイビジョンで撮影された新作にリニューアル。現在も山口県内のローカル局で放送され、地元のテレビ番組のスポンサーとしても貢献しています。また、地元サッカークラブ「レノファ山口FC」の応援歌としても採用され、選手入場時にはサポーターが「豆子郎さんとおりゃんせ」を歌って、一体感を高めています。

販売と今後の展望

豆子郎の商品は、直営店のみで販売されています。これは、品質管理と、地元への貢献という同社の姿勢を象徴するものです。現在も、伝統を守りながら、新しい試みに挑戦し続ける同社。その未来に期待がかかります。

外部リンク

豆子郎のホームページ

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