豊中市立第十中学校

豊中市立第十中学校（通称：十中）は、大阪府豊中市野田町に位置する公立中学校で、1972年に開校しました。この学校は、豊中市立第一中学校と豊中市立第六中学校の校区の一部を再編して作られ、開校当初は豊中市立野田小学校内に仮校舎が設けられていました。1972年の夏には、現在地に移転し、専用校舎での教育が始まります。

当校は、エアフォース空港の着陸航路の直下に位置し、加えて直近には名神高速道路や阪急宝塚線が走っていることから、環境の影響が懸念されていました。その対策として、早くから校舎にはエアコンが設置され、防音効果も考慮されていました。

教育面では多くの特徴がある学校でした。1973年には大阪府教育委員会から生徒指導の研究校に指定され、その後もいくつかの重要な教育プログラムやモデル校に選定されるなど、地域における教育の向上を図っていました。特に1996年にいじめ防止の教育研究モデル校に指定され、2001年には「明日を拓く学校づくり」の推進校にも選ばれています。

また、1999年にはエイズ教育の推進校としても名を挙げるなど、大阪府の多様な教育政策に寄与してきました。その成果として、学校からはボランティア活動に参加する生徒も多く見られるようになりました。

しかし、2020年4月には豊中市立第十中学校が豊中市立第六中学校と統合され、豊中市立庄内さくら学園中学校として新たに生まれ変わるにあたり、十中は閉校することとなりました。この新学校の設立に伴い、第六中の跡地に新校舎が建設される予定で、その完成までは十中の校舎が暫定的に利用されました。

通学区域は豊中市立野田小学校の区域を含み、豊中市立豊島小学校や豊中市立島田小学校の一部も対象となっていました。このように、十中は地域に根ざした公立中学校として、教育現場での多くの貢献をしてきた歴史があります。

周辺には豊中市立野田小学校、大阪音楽大学、豊中庄内北郵便局、さらにはローズ文化ホールも所在し、地域の文化や教育にも影響を与え続けてきました。最寄り駅は阪急宝塚線の庄内駅で、そこから徒歩で約10分の距離に位置しています。

豊中市立第十中学校の閉校は、地域にとって一つの区切りでありましたが、これまでの教育的な取り組みやエピソードは、多くの在校生や卒業生の記憶に刻まれています。今後もその精神を受け継ぎ、新たな学びの場として庄内さくら学園中学校が地域に貢献していくことが期待されています。

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