豊似岳

豊似岳：日高山脈の南端にそびえる雄大な峰

北海道幌泉郡えりも町に位置する豊似岳は、標高1,105mを誇る雄大な山です。日高山脈の主稜線上で最南端に位置し、その険しい山容は、古くから人々を魅了してきました。日高山脈襟裳十勝国立公園に含まれており、手つかずの自然が残る貴重なエリアとなっています。山頂には一等三角点「豊似山I」が設置され、測量上の重要拠点としての役割も担っています。

アイヌ語に由来する山名

豊似岳という地名は、アイヌ語にその起源を持つと考えられています。「トイ（toy）」はアイヌ語で「土（食用土）」を意味し、「トイオイ（トヨイ）」や「トイウンイ（トユニ）」といった言葉が豊似岳の語源候補として挙げられています。「土のある場所」や「土のある川」といった意味合いが込められていると推測されています。古来よりこの地域に暮らしてきたアイヌの人々の豊かな自然観が反映された地名と言えるでしょう。

登山ルートと挑戦

豊似岳への登山道は、国道336号の追分峠にある町営肉牛牧場から始まります。整備された登山道は、米軍通信所跡の尾根まで続いていますが、そこから一等三角点のある山頂へ至る道は、踏み跡程度の不明瞭な道です。潅木が生い茂る急峻な斜面を登る必要があり、登山経験者向けのルートと言えるでしょう。十分な装備と、道に迷わないための準備が不可欠です。えりも町では、便宜上、登山道の終点を「豊似岳」と呼んでいます。

豊似岳周辺の自然

豊似岳周辺には、多くの[山]]々が連なり、変化に富んだ景観を呈しています。近隣には、観音岳(932m)、オキシマップ山]、袴腰[山]、[アポイ岳]などがあり、それぞれ独自の自然環境を有しています。豊似岳とこれらの[[山々を巡るトレッキングは、北海道の自然を満喫できる魅力的な体験となるでしょう。

悲しい歴史：1965年の墜落事故

1965年7月29日、海上自衛隊のUF-2飛行艇が豊似岳の中腹に墜落するという痛ましい事故が発生しました。乗員7名全員が亡くなるという、悲しい歴史が刻まれています。この事故は、豊似岳の歴史における大きな出来事であり、今も人々の記憶に深く刻まれています。安全な登山計画と、自然への敬意を忘れてはならないことを改めて認識させてくれる出来事です。

豊似岳と周辺地域

豊似岳は、襟裳岬や豊似湖、猿留川といった地域と深く関わっています。これらの地域は、豊似岳を含む豊かな自然環境に恵まれ、独自の生態系を育んでいます。襟裳岬の荒々しい海岸線、豊似湖の静かな水面、猿留川の清流など、周辺地域を訪れることで、豊似岳の魅力をより深く理解することができるでしょう。

豊似岳へのアクセスと情報

豊似岳へのアクセスは、国道336号を利用するのが便利です。登山計画を立てる際は、国土地理院の地図閲覧サービスなどを活用し、地形図を確認することをお勧めします（2万5千分1地形図名：えりも（広尾16号-2））。安全で充実した登山となるよう、十分な準備を行いましょう。豊似岳の雄大な自然を満喫し、忘れられない思い出を作ってください。

もう一度検索