豊原道也

豊原道也は、1903年7月11日に新潟県で生まれ、1980年12月24日に没した、日本の内務官僚、そして実業家です。彼は、最後の官選山梨県知事として知られています。

生い立ちと官僚としてのキャリア

豊原道也は、豊原規矩弥の三男として生まれました。新潟高等学校を卒業後、1926年12月に高等試験行政科試験に合格し、1927年には東京帝国大学法学部独法科を卒業しました。同年、内務省に入省し、秋田県属としてキャリアをスタートさせました。

その後、彼は大分県学務部長、茨城県経済部長、長野県書記官・警察部長、厚生省生活局住宅課長、警視庁保安部長、富山県部長・内政部長、浦賀引揚援護局次長など、地方官僚として多様な役職を歴任しました。これらの経験を通じて、地方行政の実務に深く関わり、その手腕を発揮しました。

山梨県知事としての役割

1947年3月、豊原道也は山梨県知事に就任しました。これは、前任の吉江勝保が知事選に出馬するために辞任したことを受けたものです。彼は、県議会議員選挙や知事選挙などの重要な行政業務を遂行し、同年4月に知事を退任しました。在任期間は短かったものの、その間、地方自治の円滑な運営に尽力しました。

実業家としての転身

山梨県知事を退任後、豊原道也は神奈川県副知事を務め、その後、実業家としての道を歩み始めました。1952年には神奈川県経済農協連合会長に就任し、以降、東急エビス産業取締役、全国購買農業協同組合連合会監事、同理事、全国販売農業協同組合連合会理事、花月園観光取締役など、数々の企業の要職を歴任しました。

これらの役職を通じて、彼は地方行政で培った経験を活かし、経済界でもその手腕を発揮しました。実業家としての活動は、彼のキャリアにおけるもう一つの重要な側面を形成しています。

まとめ

豊原道也は、内務官僚としての地方行政への貢献、そして実業家としての活躍を通じて、日本の発展に寄与した人物です。彼のキャリアは、官僚としての専門性と、実業家としての経営手腕を兼ね備えた、多才な人物であったことを示しています。

参考資料

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

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