豊岡盆地

豊岡盆地

豊岡盆地は、兵庫県北東部に位置し、豊岡市を中心とした南北約14km、東西約4kmの楕円形の盆地です。周囲は300mから500m程度の山地や丘陵に囲まれています。盆地の中央部を円山川が北流し、城崎を経て日本海へと注いでいます。日本海から約15km内陸に位置するにもかかわらず、海抜は4mから6mと非常に低く、河川の増水時には冠水しやすい地形となっています。

歴史と地形

かつてこの地は「黄沼前海（きのさきのうみ）」と呼ばれる入り江であったと考えられています。その名残を示す遺跡として、盆地の北限に位置する玄武洞や、東部にある但馬地方最大の貝塚である中谷貝塚が知られています。円山川と六方川に挟まれた平野は「六方田んぼ（ろっぽうたんぼ）」と呼ばれ、但馬地方随一の穀倉地帯として豊かな米を生産しています。

生物多様性と産業

豊岡盆地は、国の特別天然記念物であるコウノトリの最後の生息地として知られています。世界でも類を見ない野生復帰の取り組みにより、現在では日本で唯一コウノトリが野生で生息する場所となっています。また、江戸時代には柳行李の産地として発展し、現代では日本有数の鞄産地としてその産業が引き継がれています。

気候

気候は日本海側気候に属し、夏季にはフェーン現象の影響で気温が上昇しやすいのが特徴です。2010年（6月から8月）には、猛暑日を32日と日本最多を記録したこともあります。

地名の由来

但馬という地名は、豊岡盆地を指す「谷間」に由来するという説があります。

但馬地方の他の盆地

但馬地方には、豊岡盆地の他に以下の盆地があります。

出石盆地 - 豊岡市出石町
和田山盆地 - 朝来市和田山町
山東盆地 - 朝来市山東町

参考文献

中国新聞、今夏は「歴史的酷暑」　1898年以降で気温最高、2010年9月2日
豊岡市市勢要覧、『とよおか 豆辞典』、2009年10月、豊岡市発行
『読売テレビ』、「8月の平均最高気温、枚方市が全国1位」、2010年8月30日

関連項目

豊岡都市圏
アメノヒボコ
* 北近畿

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