豊島家住宅

豊島家住宅の概要

豊島家住宅（としまけじゅうたく）は、愛媛県松山市井門町に位置する歴史的な民家です。この建物は、1758年に建設された中予地方の豪農であり、特に大庄屋格であった豊島家の邸宅にあたります。国の重要文化財に指定されており、地域の文化遺産として高く評価されています。

建物の構成

豊島家住宅は、主屋や表門、長屋門、長屋、米倉、衣装倉、中倉を含む合計7棟の建物から成り立っています。これらの建物は国の重要文化財に指定されており、特に主屋はその複雑な構成が特徴的です。主屋は奥の居室部分と手前の座敷部分を雁行形に配置し、相の間でつなげています。屋根は入母屋造であり、一般的に「井門の八棟造り」というスタイルで知られています。

豊島家では、藩から軍用馬の飼育を命じられており、そのための馬屋も設けられていました。現存する長屋は、当初の馬屋が後に居室へと改造されたものです。また、幕府の巡見使の宿泊所としても使用され、その際に使用された座敷が残っています。

修理と保全

この建築物は1970年に国の重要文化財に指定され、その後、1972年から1974年にかけて主屋の解体修理が行われ、さらに1977年から1979年には表門およびその他の付属建物の修理も完了しました。これにより、豊島家住宅の文化的価値が保存され、後世に受け継がれています。八棟造りの優れた例として、東武ワールドスクウェアには1/25スケールのミニチュアも展示されています。

各建物の情報

主屋

• - 建築年代： 1758年（宝暦8年）
• - 構造： 総茅葺き、庇本瓦葺き
• - 居室部のサイズ： 桁行24.6m、梁間11.8m、入母屋造、四面庇付き
• - 座敷部のサイズ： 桁行12.9m、梁間6.9m、入母屋造、東西面及び南面庇付き

主屋は敷地の東寄りに位置し、西側には庭園が広がっています。居室部は、土間と居室が分けられており、居間や台所を含む西側の居室と、主に通風の良い土間が組み合わさっています。さらに、座敷部は数奇屋風の本格的な造りで、書院や二の間、三の間があり、装飾が施されています。

表門

• - 建築年代： 18世紀中期頃
• - 構造： 棟門、本瓦葺き

長屋門

• - 建築年代： 江戸末期
• - サイズ： 桁行11m、梁間2.5m、切妻造

長屋

• - 建築年代： 江戸後期
• - サイズ： 桁行8.3m、梁間4.2m、切妻造

米倉

• - 建築年代： 1917年（大正6年）
• - 構造： 土蔵造、二階建て

衣装倉

• - 建築年代： 明治
• - 構造： 土蔵造、二階建て

中倉

• - 建築年代： 江戸末期
• - 構造： 土蔵造

公開状況

豊島家住宅は原則として非公開ですが、近年の修理により、その美しい構造や歴史的価値が保たれていることから、訪問者にとっても趣のある場所となっています。地元の文化や歴史を学ぶには、訪問を検討する価値があるでしょう。

もう一度検索