豊後荻駅

豊後荻駅：歴史と自然が織りなす交流拠点

大分県竹田市荻町馬場にある豊後荻駅は、九州旅客鉄道（JR九州）豊肥本線に位置する駅です。県内豊肥本線の中では最も熊本寄りに位置し、特急「九州横断特急」も停車するため、地域住民だけでなく観光客にとっても重要な交通拠点となっています。

歴史を刻む駅舎

豊後荻駅が開業したのは1928年（昭和3年）12月2日。豊肥本線玉来～宮地間の開通と同時に開業しました。その後、1971年（昭和46年）10月1日に貨物取扱が廃止され、1972年（昭和47年）3月1日には業務委託駅となりました。1984年（昭和59年）には荷物扱いも廃止され、同年11月30日には無人化（簡易委託化）されました。国鉄分割民営化後の1987年（昭和62年）4月1日からは九州旅客鉄道が運営を引き継ぎ、1993年（平成5年）5月には駅舎が改築されました。2012年（平成24年）7月12日に発生した平成24年7月九州北部豪雨の影響で営業休止となりましたが、翌2013年（平成25年）8月4日、豊肥本線全線復旧に伴い営業を再開しました。

駅舎：地域交流のシンボル

相対式ホーム2面2線を有する地上駅である豊後荻駅は、ホーム間は構内踏切で連絡しています。特徴的なのは、駅舎に併設された「荻駅交流館」です。物産館や図書室に加え、2階には歴史資料展示室も備えており、地域住民の交流拠点として重要な役割を担っています。1993年の改築では、荻町が総工費1億2千万円を投じて、鉄骨造り2階建ての駅舎が建設されました。駅舎玄関には「荻駅交流館」と「豊後荻駅」の表札が掲げられています。現在も簡易委託駅として、きっぷうりばが設置され、早朝6時台には当駅始発の豊後竹田行き（豊後竹田駅で大分行きに接続）も運行されています。

利用状況と周辺環境

2012年度の1日平均乗車人員は31人でした。駅周辺はかつて荻町の中心地であり、現在も比較的大きな集落が広がっています。竹田市荻支所をはじめ、竹田市立荻小学校、竹田市立緑ヶ丘中学校、荻保育園、竹田市荻運動広場、荻郵便局、荻の里温泉、高鼻公園といった公共施設や教育施設、観光スポットが近隣に点在しています。

アクセスと周辺情報

駅前にある「豊後荻駅前バス停」からは、竹田市コミュニティバス（岩本線・馬背野線）が運行され、竹田市役所や政所公民館前へのアクセスも容易です。また、すぐ近くに白水の滝という自然豊かな観光スポットもあります。

豊後荻駅の未来

歴史と自然に囲まれた豊後荻駅は、地域住民にとってかけがえのない存在であり、今後も地域交流拠点として発展していくことが期待されます。 駅舎の改築や、豪雨からの復旧といった歴史も、駅の物語を豊かに彩っています。 交通の便の良さだけでなく、地域との繋がりを大切にする駅として、その役割は今後ますます重要になっていくでしょう。

隣の駅

玉来駅
滝水駅

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