豊橋バスターミナル

豊橋バスターミナルの歴史と概要

豊橋バスターミナル（とよはしバスターミナル）は、愛知県豊橋市の中心に位置していた交通拠点で、2006年9月30日まで運営されていました。正式には『豊橋市バスターミナル』と称し、地下にあった施設は、豊橋市狭間児童公園の真下に位置していました。このバスターミナルは、第3セクターにより管理・運営されており、1969年に開業されました。設立当初、豊橋鉄道（現・豊鉄バス）や名古屋鉄道（名鉄バス）、さらに遠州鉄道の路線バスが均等に乗り入れていた時期もありました。

施設の構造と運用

バスターミナルは名豊ビルの地下1階に位置しており、各路線は名豊ビルの隣に設けられた導入路を通って入場していました。回廊状のスロープを通って、5つの乗降場でバスが停車する仕組みが整っていました。また、バスの待機スペースが中央に設けられており、利用者は名豊ビルの地下連絡通路や周辺の出入り口から出入りすることができました。

しかし、2006年9月30日に豊橋市はバスターミナルを廃止する決定を下しました。これに伴い、地下に存在する出入り口は全て封鎖されました。また、廃止直後の約1ヶ月間は、待避線のような形式で路線バスが出入りすることもありましたが、アスベスト撤去作業が始まると施設は完全に封鎖されました。

その後、名豊ビルは月極駐車場として利用されていましたが、2017年3月31日に営業を終了し、同年4月30日には名豊ビル自体が閉鎖されました。さらに、2018年には駅前大通の再開発事業の一環として、名豊ビルや周辺の建物が解体されることになりました。

バス路線の変遷

豊橋バスターミナルでは、開業時からさまざまなバス路線が運行されていました。1969年には22の路線があり、1日322回の運行がありましたが、利用者数は7845人に達していました。その後も利用状況は変化し、1986年には遠州鉄道が撤退、1990年には名古屋鉄道もバス路線の乗り入れを辞めました。バスターミナルの機能が他の交通拠点によって補完される中で、2006年には8路線・120回／日の運行に減少し、利用者数も400人前後にまで落ち込みました。

最末期の利用状況

廃止直前の豊橋バスターミナルは、1番のりばから豊川線や新豊線、2番のりばからは富岡線や金沢線などが発着していました。しかし、利用者の減少に伴って、隣接する豊橋駅前バスターミナルの整備が進んだことで多くの路線はあちらにシフトしていきました。結果として、最末期には近隣の豊橋駅バスセンターへ路線が移行し、新たな経路や路線名が導入されていくこととなりました。

このように、豊橋バスターミナルは地域交通の重要な役割を果たしていたものの、時代の変化によりその役割は段階的に縮小され、最終的には廃止へと至りました。

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