豊橋鉄道デキ1000形電気機関車

豊橋鉄道デキ1000形電気機関車の歴史

豊橋鉄道デキ1000形電気機関車は、日本の鉄道車両として独自の存在感を放つ直流用電気機関車です。1955年の8月に導入され、豊橋鉄道渥美線での活躍が始まりました。この機関車は、もともと西武鉄道に属していた1形電気機関車（2代）2号機を改造して、デキ1000形の1号機として豊橋鉄道に受け渡される形となりました。

車両の概要

デキ1000形は、斬新なデザインの凸形車体を持ち、軸配置はBo-Boという配置になっています。この機関車は西武鉄道での運用実績がなく、落成後すぐに豊橋鉄道に譲渡されたため、実質的な新製品として扱われました。同年8月には新車として豊橋鉄道にラインアップされ、その後は小野田セメント（現在の太平洋セメント）の私有機として登録されていました。

デキ1000形は、神戸信号所及び小野田セメント田原工場といった専用線の貨物輸送に大きく寄与しました。特に工場間での貨物列車の牽引を行うことが多く、鉄道の業務において重要な役割を果たしました。

改番と仕様変更

1968年には、デキ350形351に改番され、その後1970年には前照灯がシールドビームタイプの2灯に変更されるなど、機能面においても進化を遂げました。これにより、運行時の視認性が向上し、安全性が高まりました。

最後の活躍

晩年には、主に貨物列車の牽引及び構内での入換え業務に従事していましたが、1984年2月に貨物営業が廃止されると、その役割を終えることとなります。同年3月29日に廃車となり、その後は小野田セメント田原工場に搬入され、解体処分されました。このように、デキ1000形は約29年間にわたり、多くの鉄道ファンや関係者に記憶される存在となりました。

参考文献

この機関車に関する詳しい情報は、以下の文献に記載されています。

• - 白井良和「私鉄車両めぐり(86) 豊橋鉄道渥美線」『鉄道車両めぐり特輯 第三輯』鉄道図書刊行会 1982年
• - 杉田肇「西武鉄道の電気機関車」『鉄道ピクトリアル』鉄道図書刊行会 1992年5月号
• - 寺田裕一『私鉄機関車30年』JTBキャンブックス 2005年

このように豊橋鉄道デキ1000形電気機関車は、地域の交通に貢献しながら、鉄道の歴史の一部として多くの人々に愛されてきた存在でありました。

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