豊田悌助

豊田 悌助について

豊田悌助（とよだ ていすけ、1902年 - 1993年）は、栃木県出身の著名な弁護士であり、拓殖大学の第13代総長として教育の発展に寄与した人物です。彼の経歴には豊かな学問の道と、教育機関としての拓殖大学の変革への熱意が詰まっています。

学歴とキャリアの始まり

豊田は1927年、拓殖大学商学部を卒業後、すぐに大学助手としてキャリアをスタートさせます。学びの場で経験を積む中で、彼の熱意と能力は次第に評価され、1933年には助教授、1937年には教授に就任することになります。このように、教育者としてのキャリアを築いていく中で、彼は次第に大学の重要な役割を担うようになりました。

大学内での役割

1944年には拓殖大学の図書館長に任命され、学問の支援体制を整備しました。その後も1951年には商学部長に、1955年には拓殖短期大学の学長に就任します。そして1970年、彼はついに拓殖大学の学長に就任し、1971年には総長として大学の指導にあたりました。豊田の在任中、彼は大学の教育方針や運営に深く関与し、多くの学生に影響を与えました。

応援団しごき事件と辞任

しかし、彼の大学における活動は順調ばかりではありませんでした。1972年には、拓殖大学の応援団が暴力的な行為に関与していたことが発覚し、団体は廃部に追い込まれました。その後、1974年には応援団の復活が許可されますが、1978年に再度暴力事件が発生します。この事件では新入生が命を落とす事態となり、豊田は即刻総長職を辞任する決断を下しました。さらに商学部の教授職も辞し、大学から退くこととなります。

応援団員は10人が退学処分を受け、大学側はこの事態を受けて応援団を永久に廃止する決定を下しました。この一連の事件は、大学の信用を揺るがすものであり、豊田の指導力にも大きな疑問符が付く結果となりました。

晩年と評価

豊田は1978年9月15日に名誉教授の称号を受け、その後は教育界から身を引いた形で1993年に93歳で世を去ることになります。彼の在任中、拓殖大学はさまざまな改革を経験しましたが、応援団事件は彼の評価に影を落とす結果となったことは否定できません。それでも、彼の教育に対する貢献は多くの人々に記憶され、今なお敬意を表する声が多く聞かれます。

拓殖大学がおかれた状況や、その後の理想の進化に対する彼の情熱は、今日の教育界においても重要な示唆を与えるものと言えるでしょう。

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