豊竹八重太夫

豊竹 八重太夫について

豊竹 八重太夫（とよたけ やえたゆう）は、日本の伝統的な音楽スタイルである義太夫節において重要な役割を果たしてきた太夫の一人です。豊竹八重太夫には多くの代数が存在し、それぞれの代が独自の特色を持っています。

初代

初代八重太夫は後に2代目豊竹此太夫と名付けられました。初名は八蘇太夫であり、大坂で活躍しました。1762年に大坂豊竹座で初めての公演に出座し、1765年に2代目八重太夫を名乗ります。特にチャリ場という演技スタイルに秀で、多くの観客を魅了しました。彼の通称は「和泉屋平兵衛」として広く知られています。

2代目

2代目八重太夫は延享元年（1744年）に生まれ、寛政5年（1793年）に亡くなりました。彼も大坂出身で、初代八重太夫の門弟として修行を積みました。1763年には豊竹座で初舞台を果たし、その後、佐渡太夫や2代目豊竹湊太夫を経て1794年に3代目八重太夫を襲名しました。通称は「松阪屋伊八郎」と呼ばれ、彼の影響力は大きかったと言われています。彼は1795年に亡くなりました。

別の八重太夫

また、別の八重太夫とも言われる人物が存在します。この人物は初代豊竹磯太夫の門弟で、3代目八重太夫の養子となりました。生年は不明ですが、文政4年（1821年）に亡くなっており、初名や代数がはっきりしていません。このため、3代目や4代目とも呼ばれることがあります。通称は「近江屋孫兵衛」です。

4代目

4代目八重太夫は、初代豊竹麓太夫の門弟である豊竹橘太夫が1822年に襲名しました。生没年は不詳ですが、彼の存在も八重太夫の歴史に欠かせないものです。通称は「有馬屋豊蔵」として知られています。

5代目

5代目の八重太夫は、後に3代目豊竹麓太夫としても知られる存在です。彼の活動は多くのファンに影響を与え、義太夫節の発展に寄与しました。

6代目

6代目八重太夫の生没年は不詳ですが、彼は大坂で誕生し、3代目竹本長門太夫の弟子でした。1841年には豊竹八百太夫を名乗り、同年中に初出座を果たしました。その後、3代目磯太夫を経て、1860年または1861年頃に6代目八重太夫を襲名しました。通称は「又吉」として親しまれています。

7代目

最後に、7代目八重太夫は天保13年（1842年）に生まれ、明治42年（1909年）に亡くなりました。本名は萩野辰治郎であり、彼もまた5代目八重太夫の弟子です。彼は豊竹津磨太夫や常磐太夫を経て、慶応年間に7代目八重太夫を受け継ぎました。

このように、豊竹八重太夫は伝統に深く根ざした太夫の系列であり、代々にわたりそのスタイルと技術が受け継がれてきました。義太夫節の発展を支えた彼らの功績は、今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索