豊里町 (宮城県)

宮城県北東部に存在した豊里町

豊里町（とよさとちょう）は、かつて宮城県北東部に位置していた町です。2005年4月1日に周辺の町村と合併し、現在は登米市の一部となっています。この地域は、北上川、旧北上川、迫川という3つの河川に囲まれた、ほぼ平坦な地形が特徴です。古くから人々の生活が営まれ、豊かな自然と歴史が息づく場所でした。

地理

豊里町は、宮城県の北部に位置し、北上川、旧北上川、迫川によって形成された平坦な土地にありました。町内には、楠田山や猪眠山といった小規模な山も存在します。

隣接していた自治体は以下の通りです。

登米郡：登米町、米山町
遠田郡：涌谷町
桃生郡：桃生町
本吉郡：津山町

歴史

豊里町の歴史は古く、平安時代末期から鎌倉時代にかけて、奥州藤原氏一族の居館があったとされています。その後、葛西氏の臣族がこの地を治めました。

江戸時代には、登米伊達家による新田開発が積極的に行われました。特に寛文7年（1667年）には、伊達宗倫の命により、秋山源兵衛が指揮を執り、大曲地区の悪水を排除するために、迫川の堤防を築く大規模な工事が行われました。

明治時代に入り、1889年（明治22年）4月1日の市町村制施行により、登米郡赤生津村と鴇波村が合併し、豊里村が誕生しました。その後、1950年（昭和25年）4月1日に町制を施行し、豊里町となりました。

昭和時代には、北上川の治水事業として、1932年（昭和7年）から1940年（昭和15年）にかけて新迫川が開削されました。また、1960年代には上水道の整備が進められ、1968年（昭和43年）には柳津線（気仙沼線）が開通し、陸前豊里駅と御岳堂駅が開業しました。教育施設も整備され、1980年（昭和55年）には豊里小学校の新校舎が完成、複数の小学校が統合されました。さらに、1982年（昭和57年）には豊里中学校の新校舎も完成しました。

1990年（平成2年）には公立豊里病院が新築され、1994年（平成6年）にはカントリーエレベーターが設置されるなど、町のインフラが整備されました。2000年（平成12年）には、恒例の夏祭りが「YOSAKOI&ねぷたinとよさと」としてリニューアルされ、地域を盛り上げました。

2005年（平成17年）4月1日、豊里町は周辺の町村と合併し、登米市の一部となり、その歴史に幕を閉じました。

行政

最後の町長は、只野九十九氏でした。

教育

豊里町には、以下のような教育機関がありました。

中学校：豊里町立豊里中学校
小学校：豊里町立豊里小学校、豊里町立竹花小学校、豊里町立鴇波小学校、豊里町立二ツ屋小学校（十五貫分校を含む）
幼稚園・保育所：豊里幼稚園、豊里保育所

交通

鉄道：JR東日本気仙沼線が通り、陸前豊里駅と御岳堂駅がありました。
道路：以下の県道が町内を走っていました。
宮城県道21号河南米山線
宮城県道61号涌谷津山線
宮城県道230号小島豊里線
宮城県道237号瀬峰豊里線
宮城県道257号河南登米線

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

豊里町には、以下のような名所や旧跡、観光スポット、祭りがありました。

鴇波洗堰（北上川河川歴史公園）
平筒沼
笑沢自然公園
香林寺山門（県指定文化財）
赤生津館跡（史跡）
豊里・津山渡船場跡
産直がんばる館
愛宕神社
大曲古土手（史跡）
長根浦貝塚（史跡）
沼崎山遺跡（史跡）

祭り・イベント

平筒沼ふれあい公園桜まつり
YOSAKOI&ねぷたinとよさと（8月）
秋葉山神社まつり（9月）
まめからさん祭り（10月、稲荷神社、県指定無形民俗文化財）
冬の蛍通り（12月）

出身有名人

眞山龍（プロ野球選手、元西武ライオンズ）
佐々木隆史（お笑い芸人、エバースのメンバー）

関連項目

豊里水辺の公園
宮城県の廃止市町村一覧

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