貞子3D

貞子3D (2012年の映画)

『貞子3D』は、2012年5月12日に公開された日本のホラー映画です。従来の『リング』シリーズとは異なり、『高校デビュー』の英勉が監督を務め、脚本も藤岡美暢と英勉の共同で手掛けられました。主演は石原さとみ。キャッチコピーは「"S"の復活-」。2013年には続編『貞子3D2』が公開されています。

概要

鈴木光司の書き下ろし小説『エス』を原作とし、『リング』シリーズ完結から約12年後に製作されました。この作品は、『リング』から続く映画シリーズの第5作であり、『らせん』の設定上の続編とされています。シリーズ初の3D立体映画として公開されました。

ストーリーは、『エス』の忠実な映画化ではなく、登場人物や設定を応用したオリジナルの物語です。原作では間接的に登場する山村貞子が、旧映画シリーズ同様に殺人モンスターとして登場し、過去のシリーズの系譜を継承しています。

あらすじ

物語は、鮎川茜が教師を務める女子高で噂される「呪いの動画」を中心に展開します。その動画は、ある男が首を絞められる映像が流れ、「お前じゃない」という声と共に閲覧者が死ぬというものでした。

茜の教え子である典子は、その動画を再生した直後に変死。事件を担当する刑事の小磯と中村は、捜査の中で「呪いの動画」の噂を耳にします。そして、動画を見た者が次々と変死していることに気付き、動画を最初にアップロードした人物が柏田清司というアーティストであることを突き止めます。

茜の別の教え子、理沙も動画にアクセスし、パソコンから出現した女性の怪物に襲われますが、茜の悲鳴によって難を逃れます。しかし、理沙は精神的に不安定になり、茜の責任問題に発展します。

茜は榎木から動画に関する情報を聞き、「お前じゃない」という言葉が共通していることを知ります。しかし、自分だけが「お前だ」と言われたことに動揺します。

一方、茜の恋人である安藤孝則も動画を再生してしまい、謎の女は茜に「お前だ」と告げます。孝則は街中のディスプレイから現れた女によって異世界に引きずり込まれてしまいます。

柏田の捜査を進めていた中村刑事は自殺。小磯は柏田を追い、「Sの復活」というキーワードに辿り着きます。そして茜と出会い、共に『S』が潜む場所へ向かいますが、そこにはおびただしい数の化け物が待ち構えていました。

小磯は倒れ、貞子に身体を奪われた茜でしたが、孝則の働きと茜自身の意志によって、2人は生還を果たします。

キャスト

鮎川茜（高校教師）：石原さとみ
安藤孝則（茜の恋人）：瀬戸康史
貞子：橋本愛
中村正彦（刑事）：高橋努
榎木俊介（孝則の同僚）：染谷将太
北山理沙（茜の生徒）：高良光莉
森崎典子（茜の生徒で被害者）：喜多陽子
柏田清司（最初の動画配信）：山本裕典
小磯勇吾（刑事）：田山涼成
鮎川茜（少女時代）：平祐奈

スタッフ

原作：鈴木光司『エス』
監督：英勉
脚本：藤岡美暢、英勉
音楽：川井憲次
* 主題歌：シド「S」

プロモーション

映画公開に際しては、始球式やケロロ軍曹、ハローキティとのコラボレーションなど、様々な宣伝活動が展開されました。

封切り

日本では全国214スクリーンで公開され、初週の興行収入ランキングで2位を記録しました。その後、韓国、香港、シンガポール、台湾などでも公開されました。

作品解説

本作では、原作に登場する柏田の設定が変更され、前シリーズとの関連性は描かれていません。また、シリアスな作風だった前シリーズとは異なり、コメディ要素やアクションシーンが盛り込まれています。

貞子役の橋本愛は、公開直前まで伏せられていました。物語は、現代のインターネット文化を反映し、ニコニコ動画を題材としています。

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