負荷率

負荷率（ふかりつ）

負荷率とは、電気設備や電力系統において、ある期間内の電力使用がどれだけ平準化されているかを示す指標です。具体的には、その期間中に観測された電力の最大使用量（最大需要電力）に対して、期間中の平均的な電力使用量（平均需要電力）が占める割合を百分率で表します。

定義と計算式

負荷率は以下の計算式で求められます。

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負荷率 (%) = (期間中の平均需要電力 ÷ 期間中の最大需要電力) × 100


この平均需要電力は、期間中の総電力量をその期間の時間数で割ることによって算出されます。もし期間を通じて常に一定の電力を消費し続けた場合、平均需要電力と最大需要電力は一致するため、負荷率は100%となります。これは電力利用が最も効率的かつ安定している状態と言えます。

期間による区分

負荷率は、計算の対象とする期間に応じて以下のように呼び分けられます。

1. 年負荷率

1年間を対象として計算される負荷率です。年間での電力使用の傾向や、設備の長期的な稼働状況を把握するために用いられます。

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年負荷率 (%) = (年間平均電力 ÷ 年間最大需要電力) × 100

または
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年負荷率 (%) = (年間需要電力量 × 100) ÷ (暦時間数 × 年間最大需要電力)

ここでいう暦時間数とは、1年間の総時間数であり、平年では24時間 × 365日 = 8760時間、閏年では24時間 × 366日 = 8784時間となります。

2. 月負荷率

1か月間を対象として計算される負荷率です。月ごとの電力消費の変動や季節的な影響を分析するのに役立ちます。

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月負荷率 (%) = (月間平均電力 ÷ 月間最大需要電力) × 100

または
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月負荷率 (%) = (月間需要電力量 × 100) ÷ (暦時間数 × 月間最大需要電力)

月ごとの暦時間数は、その月の日数によって異なります。例えば、31日の月は744時間、30日の月は720時間、2月は通常672時間（閏年は696時間）です。

3. 日負荷率

1日間（通常24時間）を対象として計算される負荷率です。1日の電力使用パターンやピーク時間帯の状況を詳細に分析するために用いられます。

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日負荷率 (%) = (1日の平均電力 ÷ 1日の最大需要電力) × 100

最大3日平均電力

年負荷率や月負荷率を算出する際、最大需要電力として「最大3日平均電力」を用いる場合があります。これは、対象期間（1年間または1か月間）のうち、日ごとの最大電力が大きかった上位3日を選び、その3日間の最大電力の平均値を最大需要電力の代わりに利用するものです。

計算例

仮に、ある1日の電力消費パターンを示す負荷曲線が与えられているとします。この曲線から負荷率を計算する手順を見てみましょう。

1. 最大需要電力の特定: 負荷曲線上で最も電力が高い時点を探します。もしピークが複数あっても、最も高い値を最大需要電力とします。例として、この日の最大需要電力が60 kWであったとします。

2. 需要電力量の算出: 期間中（この場合は24時間）に消費された総電力量を計算します。負荷曲線の下側の面積に相当し、kWと時間の積であるkWhで表されます。例として、この日の需要電力量が660 kWhであったとします（例えば、時間帯ごとの使用量を合計して 10kW×8h + 50kW×4h + 20kW×1h + 60kW×5h + 10kW×6h = 660 kWh となる場合）。

3. 平均需要電力の算出: 期間中の総電力量を期間の時間数で割って平均値を求めます。例では、660 kWh ÷ 24時間 = 27.5 kW となります。

4. 負荷率の計算: 上記で求めた平均需要電力と最大需要電力を用いて負荷率を計算します。

(27.5 kW ÷ 60 kW) × 100 ≈ 45.8 %

したがって、この日の日負荷率は約45.8%となります。

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