財政健全化団体

財政健全化団体の概要

財政健全化団体とは、地方公共団体の財政状況を改善することを目的とした組織です。この団体は、財政健全化に関する法律に基づき、特定の財政指標をもとに策定された「財政健全化計画」を持つ地方公共団体を指します。これを達成するためには、基準となる財政健全化判断比率が早期健全化基準を超えている必要があります。さらに、財政状況が悪化した場合は、財政再生団体に移行することが求められます。

早期健全化基準について

早期健全化基準は、財政の自主的な改善を図るためのもので、以下の財政指標が1つ以上該当する場合に適用されます。これにより、危険信号が点灯することが連想されるため、団体は迅速に対策を講じる必要があります。

• - 実質赤字比率: これは団体の赤字の状態を示す指標です。都道府県の場合は3.75%が基準であり、市町村や特別区では財政規模に応じて11.25%から15%の範囲となります。
• - 連結実質赤字比率: 実質赤字比率に更に5ポイント加算した値です。
• - 実質公債費比率: この指標は25%が基準とされています。
• - 将来負担比率: これは将来的な負担を示すもので、都道府県及び政令市は400%、市町村や特別区は350%が基準になっています。

これらの指標のいずれかが設定基準以上であると、地方公共団体の長は新年度内に財政健全化計画を策定し、議会の承認を受ける必要があります。この計画は、過去の決算分析から始まり、具体的な改善策と見込みを年ごとに記載することが求められます。

財政健全化計画の内容

財政健全化計画は、財政状態の改善を目指し、具体的には次の要素を含んでいます。

• - 財政指標悪化の要因分析: なぜ財政が悪化したのかを解析します。
• - 改善方策: 財政指標を改善するための具体的な行動計画を立てます。
• - 見込み: どの程度の期間でどのような改善が期待できるのかを示す指標を設定します。

このような計画は、あらかじめ決められた期間内に段階的に実施され、効果を検証しながら進められます。

財政健全化団体の現状

2023年末において、財政健全化団体は存在していません。過去には複数の地方公共団体が財政健全化団体として認定されていました。たとえば、北海道の歌志内市や江差町、青森県の大鰐町などがその例です。これらの団体は、財政改善に向けた努力を行い、一定の期間内に財政健全化を達成してきました。

経済環境の変動や政策の影響により、地方公共団体の財政状況は変わることがあります。それゆえ、常に健全な財政運営を保つことが求められています。このように、財政健全化団体は地方公共団体の財政管理において重要な役割を果たしています。

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