貫田宗男

貫田宗男

貫田宗男（ぬきた むねお）は、1951年生まれ、山口県出身の日本の著名な登山家です。中央大学を卒業後、株式会社ウェック・トレックの顧問として、登山業界に深く関わっています。

生い立ちと登山との出会い

山口県熊毛郡で生まれた貫田氏は、その後東京都世田谷区松原で育ちました。佼成学園中学校・高等学校の登山部で本格的に登山を始め、中央大学入学と同時に日本エキスパートクライマーズクラブ（JECC）に入会。21歳でヨーロッパアルプスを経験し、23歳で渡米するなど、若いうちから海外の山々にも挑戦しました。

プロの登山家として

大学卒業後は、アメリカやカナダで登山ガイドとして経験を積みました。1982年にアルパインツアーサービスに入社し、1991年には4回目の挑戦でエベレストにチベット側から登頂。少人数での登頂は当時としては画期的でしたが、同行者の二上純一氏が下山中に事故死するという悲劇も経験しました。

1994年にアルパインツアーサービスを退社後、再びエベレスト登頂に成功。1995年には、アルパインツアーサービスの同僚と共に株式会社ウェック・トレックを設立し、世界の山々を目指す登山隊や撮影隊のコーディネート、山旅のガイドなどを行っています。

メディアへの露出

近年では、2003年からの三浦雄一郎氏のエベレスト挑戦や、日本テレビの番組「世界の果てまでイッテQ!」登山部、NHKの「世界の名峰グレートサミッツ」など、数々のメディアにも関わっています。「世界の果てまでイッテQ!」では、イモトアヤコさんの登山をサポートし、「天国じじい」という愛称で親しまれるなど、幅広い世代に知られる存在となりました。

役職

株式会社ウェック・トレック顧問
日本山岳ガイド協会公認ガイド
社団法人日本山岳協会海外常任委員
社団法人日本山岳会会員（海外委員会委員長、医療委員会委員）
日本勤労者山岳連盟顧問

エピソード

1984年の植村直己氏のマッキンリーでの遭難時、テレビ局の依頼で取材のため現地入り。1996年のエベレスト大量遭難事故では、日本人女性として2人目の七大陸最高峰登頂者となった難波康子さんの遺族をサポートしました。また、2007年には、竹内洋岳氏がガッシャーブルムII峰で重傷を負った際、日本への搬送に尽力するなど、登山界における人道的な活動も行っています。

主な登頂歴

1975年 - マッキンリー登頂
1979年 - ダウラギリV峰登頂
1991年 - エベレスト（北稜）登頂
1994年 - エベレスト（南東稜）登頂
1998年 - チョ・オユー登頂
2009年 - キリマンジャロ ガイド登頂
2010年 - モンブラン ガイド登頂
2012年 - マッターホルン ガイド登頂
2013年 - マナスル ガイド登頂
2014年 - キナバル山 ガイド登頂
2015年 - マッキンリー ガイド登頂

著書

* 『二人のチョモランマ』（山と渓谷社、1992年）


貫田宗男は、その豊富な経験と知識、そして温かい人柄で、登山界に貢献し続けています。

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