賀東招二

賀東招二氏は、1971年生まれの日本の小説家、脚本家です。東京都出身で、東京都立神代高等学校卒業、中央大学経済学部除籍という経歴を持ちます。

彼の創作活動は、大学時代にライトノベルを読んだことがきっかけでした。「自分にも書ける」と感じ、ゲーム制作会社でライターのアルバイトを経験。そこで培った経験を活かし、アンソロジーに参加。その後、富士見書房に持ち込んだ作品が、後にシリーズ累計発行数1000万部を超える大ヒット作『フルメタル・パニック!』へと繋がります。

『フルメタル・パニック!』の成功は、賀東氏のキャリアに大きな転換をもたらしました。2002年にはテレビアニメ版の制作に参加し、アニメ脚本家としての活動も開始。以降、数々のアニメ作品で脚本やシリーズ構成を務めています。

彼の創作活動は多岐に渡ります。小説『ドラグネット・ミラージュ』では、当初は共著とされていたものの、実際は単独執筆であったことが後に明かされました。これは、『フルメタル・パニック!』完結までの他の作品執筆を控えるというファンとの約束によるものでした。この件については、後に謝罪をしています。

近年では、『フルメタル・パニック!アナザー』の原案・監修、『コップクラフト』や『甘城ブリリアントパーク』の執筆など、精力的に活動。メカアクション系の新作も準備中とのことです。

賀東氏の創作活動には、彼の個性と興味が色濃く反映されています。大学時代は映画研究会とSF研究会に所属しており、ハリウッド映画、特に『ダイ・ハード』（60回以上鑑賞したというエピソードも）への造詣が深いことが知られています。硬派な作品やミリタリーテイストの作品を得意とする一方、学園ものやラブコメは苦手としており、『甘城ブリリアントパーク』執筆時の苦労を語っています。

作風は男性キャラクター中心で、時折、登場人物が中年男性ばかりになってしまうという自身の癖も明かしています。また、女性キャラクターのデザインは、多くを編集者やイラストレーターに任せているそうです。戦闘シーンは書きやすい一方、日常シーンは苦労するとも語っています。

賀東氏は、ビジュアルや作風からゲイと誤解されることも多いようですが、本人曰くゲイではありません。担当編集者と海外取材に行った際にも、東洋人のゲイのカップルと誤解された経験があります。

彼の作品には、高橋良輔作品の影響が強く見られます。「ドトール」という単語を聞くと、コーヒーチェーンではなく、高橋良輔作品に登場する架空の兵器を連想するほどです。また、ミニスカートへのこだわりを公言しており、ヒロインの衣装には必ずミニスカートを使用すると語っています。

さらに、作品の世界観を深く表現するため、世界各国への取材を積極的に行っていることも特徴です。

賀東氏は、アニメ制作会社との深い関係も築いています。特に京都アニメーションとは、『フルメタル・パニック!』のアニメ化を通して緊密な関係を築き、『涼宮ハルヒの憂鬱』、『らき☆すた』、『氷菓』など、数多くの作品で脚本やシリーズ構成に携わっています。GONZOとの作品制作経験もあります。

作品リストには、『フルメタル・パニック!』シリーズの他、『ドラグネット・ミラージュ』、『コップクラフト』、『甘城ブリリアントパーク』、『MOON FIGHTERS!』など多くの小説作品、そして、数々のアニメ作品のシリーズ構成や脚本、ゲームシナリオ原案・監修といった活動が並んでいます。

漫画家井上よしひさ氏や赤松健氏との親交も有名です。赤松健氏とは大学時代の先輩後輩の関係とのことです。

賀東招二氏は、多様な才能と情熱によって、創作活動を続ける、現代を代表する作家の一人と言えるでしょう。

もう一度検索