資源の有効な利用の促進に関する法律

資源の有効な利用の促進に関する法律について

資源の有効な利用の促進に関する法律（以下、資源有効利用促進法）は、限りある資源の有効活用を促進し、廃棄物の削減を目指すことを目的とした日本の法律です。この法律は、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会からの脱却を目指し、資源の効率的な利用と循環型社会の形成を推進するために制定されました。

制定と改正の経緯

資源有効利用促進法の前身は、1991年に制定された「再生資源の利用の促進に関する法律」です。その後、社会情勢の変化やリサイクルに対する意識の高まりを受け、2001年に大幅な改正が行われ、現在の「資源の有効な利用の促進に関する法律」へと名称が変更されました。この改正により、法律の対象範囲が拡大され、より包括的な資源利用の促進が図られることとなりました。

特に重要な改正点として、2003年には、家庭用パソコンのリサイクルがメーカーに義務付けられたことが挙げられます。これは、使用済みパソコンの適切な回収と再資源化を促進するためのもので、通称「パソコンリサイクル法」とも呼ばれています。

法律の目的と内容

資源有効利用促進法の主な目的は、以下の3点を推進することです。

リデュース（Reduce）: 廃棄物の発生抑制
リユース（Reuse）: 製品や部品の再利用
リサイクル（Recycle）: 資源の再資源化

これらの3Rを推進するために、この法律では、特定業種や製品に対して、資源の有効利用を義務付けています。

特定省資源業種の指定

資源の消費量が多い業種を「特定省資源業種」として指定し、事業者が資源の有効利用に取り組むよう促しています。

特定再利用業種の指定

製品の再利用を促進すべき業種を「特定再利用業種」として指定し、再利用しやすい製品設計や回収システムの構築を求めています。

指定省資源化製品の指定

資源の消費量を抑えることが望ましい製品を「指定省資源化製品」として指定し、製品の軽量化や長寿命化を促進しています。例として、自動車やパーソナルコンピュータなどがあります。

指定再利用促進製品の指定

再利用を促進することが望ましい製品を「指定再利用促進製品」として指定し、製品の回収や再利用を促しています。例として、浴室ユニットなどがあります。

指定表示製品の指定

消費者が製品を選ぶ際に、資源の有効利用に配慮した製品であることを識別できるように「指定表示製品」を指定しています。例として、塩化ビニル製建設資材、アルミ缶、スチール缶、ペットボトル、特定容器包装、密閉形蓄電池などがあります。

指定再資源化製品の指定

再資源化を促進することが望ましい製品を「指定再資源化製品」として指定し、製品の回収や再資源化を義務付けています。例として、パーソナルコンピュータや密閉形蓄電池などがあります。

指定副産物の指定

産業活動に伴い発生する副産物の中で、再利用が可能なものを「指定副産物」として指定し、その再利用を促進しています。

法律の構成

資源有効利用促進法は、以下の章で構成されています。

第1章：総則
第2章：基本方針等
第3章：特定省資源業種
第4章：特定再利用業種
第5章：指定省資源化製品
第6章：指定再利用促進製品
第7章：指定表示製品
第8章：指定再資源化製品
第9章：指定副産物
第10章：雑則
第11章：罰則
附則

関連情報

主務官庁: 経済産業省イノベーション・環境局GXグループ資源循環経済課、環境省環境再生・[[資源循環局]]総務課リサイクル推進室
関連法規: 循環型社会形成推進基本法、環境基本法
関連制度: リサイクル識別表示マーク、J-MOSS

まとめ

資源有効利用促進法は、資源の有効利用を促進し、循環型社会の実現を目指す上で重要な役割を担う法律です。この法律を通じて、3Rの推進、特定業種や製品における資源の有効利用が義務付けられることで、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが加速しています。

外部リンク

資源の有効な利用の促進に関する法律 - e-Gov法令検索
資源の有効な利用の促進に関する法律施行令 - e-Gov法令検索
パーソナルコンピュータの製造等の事業を行う者の使用済パーソナルコンピュータの自主回収及び再資源化に関する判断の基準となるべき事項を定める省令 - e-Gov法令検索
資源の有効な利用の促進に関する法律関係省令 - 経済産業省
* 環境基本法 - e-Gov法令検索

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